叡智の三猿

〜森羅万象を「情報セキュリティ」で語る

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歴史的な大失速で今シーズンの戦いを終えた広島カープ

昨日の野村投手の引退試合を以って、カープの日程は終わりました。

特に2016年のリーグ制覇のときの野村は輝いてました。球威というよりは、正確なコントロールで打者を倒すピッチャーでした。

本当にお疲れ様でした。

が、それにしても、今年のカープは酷いシーズンでした・・・。

8月のカープは強かった。

職場には巨人ファンと阪神ファンの同僚がいます。

9月に入るまえ、わたしは彼らにこんなエールを送りました。

頑張って追いかけてください!!

また、ベイスターズファンの友人とハマスタに行ったとき、わたしは友人にこんな上から目線の発言をしました。

まだ、ベイスターズもCSの望みはあるよ!!

あのときの自分にあえるなら「奢るな!」と、叱りたいです。

9月に入ってから、カープは歴史的な大失速をしました。月間、20敗。

当然ながらネット上の記事を眺めると、多数の失速に対する要因が言及されました。

  • 一発で流れを変えられるようなホームランバッターがいない分、しぶとくつないで点を取っていく戦いをしないといけないが、そういう攻撃ができていない。
  • 選手と一緒になって盛り上がるのは、新井監督の良さでもあり、キャラクターなのは分かるが、どこか厳しさが足りなかった。
  • 守備の乱れ、投手陣の制球難、そしてチーム戦略の綻びが複合的に作用した結果。
  • 積極性の中にある冷静な状況判断はチームとして磨かねばならない課題。
  • 試合序盤に失点して劣勢になれば代えられるという焦りが、投球にも影響を及ぼした。
  • 暑いときにがんばりすぎたんだよ。広島が1番暑い位置だから。
  • 若手の成長は一つの起爆剤になりますけど、僕はベテランもっと奮起しろよと。秋山はものすごく頑張ってくれていますけど、菊池あたりがしっかりとチームを引っ張って欲しい。
  • 現在のカープの投手陣はあまり三振を奪えていない。
  • カープの戦力的には、他を圧倒していたわけでもなく疲れも来てる。
  • 期待の「助っ人」が成績を残せず、特筆するべき補強もないのに、ここまでむしろよくやった。
  • 選手たちはそういう意識はないでしょうけども、周りが優勝と言い出してから、自然と変なプレッシャーを自分たちでかけている。
  • つまらないエラーやミスもたくさんあった。野球に集中できていないし、チームとして機能していない。

ファンとしてはどれもが、納得できるコメントです。

わたしにとって「野球」は、外から見るだけのスポーツです。戦術の細かなことはよくわかりません。

一方、「プロ野球」についていうなら、「同じピッチャーと、同じバッターが何度も対戦するスポーツ」と、捉えてます。もちろん、初対決の場面も多々あるでしょう。でも基本、ピッチャーが対峙するバッターは、過去に対決したことがあるし、バッターから見ても、相手のピッチャーは過去に対決したことがあります。

野球はチームでやるスポーツなのは、その通りです。でも、実際にはピッチャーとバッターという、1対1の対決が繰り返される特性です。

そんなプロ野球の特性を「サイバーセキュリティ」の世界に置き換えると「標的型攻撃」のイメージに近いと考えます。

「標的型攻撃」は、その名のとおり、攻撃するべきターゲットを定めて、そこに集中砲火する作戦を指します。「標的型攻撃メール」は、ターゲットにメールを送る際、相手に対する詳細な調査を行います。相手の素性をしったうえで、メールを書きます。ですので、相手がひっかかる確率が高くなり、計画的かつ効果的に攻撃を行うことが可能です。

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)では、標的型メール攻撃を「計画立案」「攻撃準備」「初期潜入」「基盤構築」「内部侵入・調査」「目的遂行」「再侵入」の7段階に分類してます。

標的型攻撃の7段階モデル

なお、「標的型攻撃」の反対は「ランダム攻撃」です。これは、狙いを定めず広い範囲で攻撃を仕掛け、誰かしらが罠にかかるのを待つ作戦です。よくある「スパムメール」は、特定の個人をターゲットにはしてません。多数のメールアドレスに一斉に送信される迷惑メールですので、「ランダム攻撃」の一例です。

繰り返しますが、プロ野球は「同じピッチャーと、同じバッターが何度も対戦するスポーツ」です。投げ勝つ、打ち勝つためには、単に身体能力が優れているだけでなく「対決する相手の特徴」をしっかり研究できていることが重要だと思います。

そういう意味で「プロ野球」の戦術は、「標的型攻撃」の戦術と似ていると思います。最終的にはターゲットを自分の意のままに操ることが出来れば、勝てるはずです。

勝つチームは、個々の選手が対戦相手のことを深く知っているチームだと思います。

相手を知るには、実際に対戦した経験からくる気づきがあるでしょう。あるいは、客観的なデータから仮説を立てることもあるでしょう。

いずれにしても、相手を知るのに必要な能力は、単に野球をする技能だけでは取得出来ません。相手をより知ろうとする選手の思考力が関係します。練習や試合が終わった後でも「考える」ための時間は十分あるでしょう。

プロなら、常に対戦相手のことを考え、投げ勝つ、打ち勝つイメージを膨らませていくべきでしょう。

カープは長いシーズンの終わりになって「失速」しました。

シーズンを通してどれだけ、選手が相手のことを知ろうと考えていたか!?を問われる結果だと思います。

新井監督は、試合後のセレモニーで「変化しなければならない。それは痛みを伴う」と、言ってました。

監督の真意がどこにあるかは分かりませんが、いちカープファンとしてやることは変わりません。

応援し続けることです。