叡智の三猿

〜森羅万象を情報セキュリティで捉える

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「情報」とほかの科目との関係について

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いよいよ新学期。

令和4年度から高校で「情報」という新たな科目が加わります。この新たな科目を学ぶ、価値はありますが、いまの教科にプラスされるので、ただでさえ勉強が大変な高校生の負担が単純に増すことが良くないと思います・・・。ただでさえ、コロナの影響で自由に思う存分に遊ぶことが許されない状況で、勉強がすべてになるような青春って、、、


ところで、いま高校に存在するあらゆる科目が「情報」との関わりを持っています。それだけ「情報」は、文系や理系、学科や実技の枠を超えて、定着しています。

今回は「情報」のなかでも「情報セキュリティ」に関連しそうな、既存の科目との関連について考えてみました。

数学:暗号化技術

いまのコンピュータ(ノイマン型)処理は、パソコンでもスーパーコンピュータでも0と1の二進法で計算を行います。ですので数学は「情報処理」そのものです。情報セキュリティ分野と、数学で関係が深いのは暗号化です。暗号化はデータに数学的な処理を用いて実施しています。たとえばRSA暗号は素数の性質を利用した暗号技術です。大きな数字を素因数分解するのは困難で、コンピュータで素因数分解しようとしても、数が大きいと膨大な時間がかかります。

語学:セキュアプログラミング

プログラミングというと、数学の領域と思われやすいのですが、アセンブリの時代ならともかく、いまは自然言語に近い、第4世代言語(=Webアプリケーションで使う言語)が主流です。プログラミングは数学より、むしろコンピュータの世界で通用する語学の勉強に近いと思います。プログラムは単に動けばいいというものではありません。情報セキュリティに配慮したコーディングが求められます。

理科:量子コンピュータ

現在のコンピュータはノイマン型と呼ばれる0と1で計算処理を行いますが、今後の普及が期待されているのが、量子力学の応用技術である量子コンピュータです。量子力学そのものは高校理科の範囲を逸脱するはずので「情報」で取り扱うとは思えないのですが、その概念(量子論)については、文系・理系問わず学習する意味があると思います。もし、量子コンピュータが実用化されると、処理性能が画期的に向上するので、現在使われている暗号化技術は役にたたないとされます。そこで新たなセキュリティ対策として注目されているのが、量子暗号です。

社会:情報セキュリティ事件・事故

2000年以降の高度情報化社会は、新たな社会問題を生みした。不正アクセスによる情報漏洩が起きたり、フィッシング詐欺による金銭被害があちこちで広がっています。情報化社会の問題を解決するための情報セキュリティ対策や、情報セキュリティマネジメントシステムの構築。個人情報保護法に基づく、事業者による個人情報の適切な取り扱いなど、実際に発生した情報セキュリティ事故と、そこから学ぶ教訓は現代社会の学習の柱といっても過言ではありません。

国語:内部不正対策

国語の勉強と情報セキュリティの関連性は薄いと考えがちですが、実は違います。国語は人と関わりながら生きていくのに必要なコミュニケーション力を向上させるための教科です。そして、コミニュケーションの欠如による情報セキュリティ事故はたくさん存在します。情報セキュリティというと組織外からの攻撃から守ることをイメージしがちですが、実際は組織内部の不正行為が多くを占めます。そして内部不正を招く要因が「会社から正当な評価をされていない」「仕事で過度なプレッシャーを与えられている」など、組織の中で国語力が活かされていないことによるものです。

美術:著作権の侵害

ITの仕事のなかでもWebデザインを志す人は、美術を専攻していた学生が多くいます。Webサイトは見た目8割といわれるのですが、紙のポスター同様、Webサイトに於けるデザインの役割は重要です。Webサイトを制作するうえで、注意するべきことは著作権の侵害です。インターネット上に存在する写真やイラストを勝手にコピーして使用する事は、原則として著作権法で禁止されています。著作権を知ったうえで、良質なデザインの学習に取り組む必要があります。

技術:キッティング

ITの仕事の入門といわれるのが、キッティングです。キッティングとは、パソコン、タブレットなどの仕事で使うデバイスをすぐに利用できる状態にすることです。ですので、業務で使用するアプリケーションや、セキュリティソフトのインストール、周辺機器との接続などの作業全般を含みます。キッティングを学ぶということは、機器を情報セキュリティの脅威から守り、一般の利用者が安全・安心して機器を使用できるようにすることを指します。

家庭:消費生活の向上

消費生活を向上させる為の知識の取得は家庭科で取り扱っています。消費生活のなかで情報セキュリティとの関係が深いのは、インターネット通販を利用したトラブルです。インターネット通販を使って、クレジットカードで購入したものの、いつまで待っても商品が届かず業者に連絡も取れないので、調べてみるとそれは、詐欺サイトだったという事例があります。賢い消費者になるため、通販サイトを使う場合は、住所がきっちりとサイト掲載されているか、妙な文体で表現されていないかなどのチェックが必要です。さらに詐欺にあった場合の対応策を学ぶ必要があります。