叡智の三猿

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ITの浸透は日本人の自立をサポートする

仕事柄、ITエンジニアを希望する学生と話す機会が多々あります。わたし自身は社会人になって30年以上たつシニアですが、若い就活生と話すと、胃をきりきりさせながら、就職活動をしていたあの頃を思い出します。

出来る限り、学生の立場にたって、就職の話をしたいと思うのですが、あの頃といまでは、日本の就業環境はかなり異なります。

わたしが就職したのは1990年で日本はバブル真っただ中でした。この当時、日本の大企業は世界の大企業でした。ですので、難関大学を出て、東証一部上場企業に入ることが、人生の勝者であり、安泰した会社員生活を送ることにつながると思われました。

しかし、日本企業は世界のなかで没落します。会社が没落するとともに、わたし達の生活水準は下がっています。

下記のように会社員の平均給与の推移をみると、1997年を境に給与が減っている様子が分かります。

出典:平均給与(実質)の推移(厚生労働省の報告書より)

いまは、会社よりも個人の自立と成長を促すような働き方が推奨されています。

ただ、自立や成長と聞くと、耳障りがいいのですが、残念ながら簡単に実現できることではありません。

なぜなら、自立をするうえでいちばん大切なことは、経済的に自立することです。 経済的な自立とは、他者から金銭的な援助を受けずに生活していける状態です。要は人生の債務である、結婚して、家を買い、子育てすることを自立して行える経済的な基盤を持つことです。

それほどの給与をサラリーマンは獲得できるでしょうか!?

年功序列の給与体系であれば、勤務実績を重ねることで、昇給が見えるので、まだ希望を持てます。いまは、どの会社も、成果主義やジョブ型雇用を推奨しています。勤務実績が給与の上昇につながる保証がありません。

おそらく、いまの時代で自立するためのいちばんのチャンスは、生活の基盤を衰退する日本ではなく、海外に置くことなんだと思います。

実際に子どものときから海外に生活基盤をもち、きらきら☆彡活動している人もいます。

ただ、多くの日本人にとって、海外は遠く感じます。そもそも、一番の隣国である韓国でさえ、K-POPや韓国ドラマを通じて情報が入る程度です。わたしは浴びるように韓国ドラマを観たり、K-POPを聴いたりしていますが、それでも韓国を身近には感じません。ハングル語も理解できません。

日本人が海外に拠点を移す決断がしにくい理由に「言葉の壁」があるのは事実です。英語圏の国は多いので、母国語でビジネスができるのに、日本語が通じる国は日本しかありません。海外で働くには、世界共通語とされる「英語」を取得するしかありません。これは日本人が世界で自立的に生きる上でのネックです。

ただ、ITの浸透が日本人の自立をサポートする可能性があります。

いまは、機械翻訳や音声認識技術が進化し、自分や相手の言葉を瞬時に、それぞれの言語に移し変えることができます。そうなると、英語が世界共通語である理由がなくなります。

いまの対面機械翻訳の精度はどのくらいなのか、試してみました。今回はNTTドコモの「はなして翻訳」を使ってみます。

皆さんお久しぶりです

対面翻訳は、わたしの言葉を正確に聞き取り、韓国語に訳してくれました。韓国語から日本語への再翻訳は「皆さん久しぶりです」となっているので、「여러분 오랜만입니다.」というハングル語は、正しいことが分かります。

次に韓国語を話してみました。語彙力がないので「アニョハセヨ」しか言えません・・・。

対面翻訳は、わたしの言葉を「안녕하세요」と認識し、「こんにちは」と返してくれました。

ちょっと専門用語を混ぜてみます。

パソコンがランサムウェアに感染しました

やはり、対面翻訳は、わたしの言葉を正確に聞き取り、韓国語に訳してくれました。韓国語から日本語への再翻訳は「パソコンがランサムウェアに感染しました」となっているので、「컴퓨터가 랜섬웨어에 감염되었습니다.」というハングル語は、正しいことが分かります。

では、「パソコンがランサムウェアに感染しました」の韓国語訳である「컴퓨터가 랜섬웨어에 감염되었습니다.」というハングル語で話しかけらたら、対面翻訳アプリはどのように返すかを試してみます。わたしはハングル語を発音できないので、ここでは、googleの発音機能を使ってみました。

結果は、「パソコンがsomewhere?」という期待外れでした。

これは、機械翻訳の精度が悪いのではなく、ハングル語の音声認識が正確でなかったためです。「컴퓨터가 랜섬웨어에 감염되었습니다.」という話し言葉を音声認識は「컴퓨터가 somewhere?」と解釈しました。

このような課題はAIによる音声認識の強みである、学習を重ねることでよくなるはずです。

いつの日にか、日本人の誰もが自立してグローバルに活躍できるような社会になればいいですね。