叡智の三猿

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「ポジション」を見ながらあれこれと

U-NEXTで「ポジション ~広告代理店の女王~」を見ました。

このドラマは去年の12月に放映された作品です。わたしにとっては、元Apinkのソン・ナウンが準主役で出演しているので、興味がありました。もっと、早く見たかったのですが、今年は新年から韓国ドラマの当たり年のようで・・・なかなか見る機会がありませんでした。

先月まで見ていた「ソンジェ背負って走れ」があまりに面白く・・・終わった後、新たなドラマを開拓する気力がありませんでした。

そんな空虚な気分に浸っていたとき、ふと思い出したのが、このドラマです。

VCグループという財閥に属する大手広告代理店のエースで、常務に昇格したヒロインのコ・アイン(イ・ボヨン)ですが、その役員抜擢には裏があることを知ります。そのシナリオでは、コ・アインは一年後に退職して大学の先生に収まるというものです。

コ・アインは何としても自分のポジションを守ろうとしますが、そこには会社の代表の座を狙う常務のチェ・チャンス(チョ・ソンハ)が立ちはだかります。

一方、VCグループを経営する財閥家は、そのなかでポジション争いがあります。ソン・ナウンが演じるカン・ハンナは、会長の娘でわがまま放題の性格です。カン・ハンナを見ながら、かって世間を賑わせた、ナッツ姫を連想しました。

財閥に仕える立場である会社員のなかでのポジション争い。そして、財閥内でのポジション争い・・・。

ボブ・ディランが1979年に作曲した歌で「ガッタ・サーヴ・サムバディ」というのがあります。

この曲でディランは「あなたはだれかに仕えなければならない、仕える相手は悪魔かもしれないし神様かもしれない、でもあなたは誰かに仕えなければならない」と、人は誰かに仕えなければならないと綴ってます。

わたしはドラマを観ながら、激しいながらもやや単調な、このロックのリズムが頭をこだましました。


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ドラマとしてはかなり面白く、イ・ボヨンの演技と美貌はさすがだな~と思いました。

願わくは、もっとイ・ボヨンとソン・ナウンの絡みがあればよかったと思いました。そうすると、財閥と財閥に仕える側の関係がよりリアルに描かれ、ドラマに深みが出そうです。

一方、ドラマで演出されている「会社内でのポジション争い」を見ながら、あまり自分の立場に置き換えて考えるのが難しいと思いました。

わたしは中小企業に20年近く働いていて、そのときは「事業部長」という肩書でした。肩書だけを見ると、いいポジションぽく見えますが、中小企業では肩書はあまり意味を持ちません。

中小企業では管理職といっても、部下を管理して評価するだけが仕事ではありません。自分もいちプレイヤーとして業務をこなす必要があります。会社の名前にブランド力がないので、顧客から信頼を得るためには、外部との円滑な人間関係を築くことが大切です。

総じて、中小企業は組織よりも、個々の人材の能力に依存する方が、業務を運営するうえで、柔軟性が高くなります。一方で、会社の規模が大きくなると、人よりも組織に依存する方が、業務を継続するうえで安定します。

中小企業から脱却して、大企業になる難しさは、人依存から組織依存への変革の難しさかもしれません。

わたしが勤めていた会社が営業譲渡により大企業のなかに組み込まれたあとは、SESのエンジニアとして客先に常駐してます。

SESエンジニアは複数のメンバーで客先に常駐します。そこには必ず管理者が必要です。メンバーは管理者の指示に従ってエンジニアリング業務をします。

わたしはSESのプロジェクトで管理者として働いてますが、それは会社内でのポジションとは全く別物です。

プロジェクトはひとつのスクラムチームです。SESの管理者であるリーダーは、メンバーが強力なスクラムが組めるよう、チームに対して奉仕的な活動をします。そのうえで、チームメンバーがパフォーマンスを最大限に発揮できるよう、利害関係のある組織との調整をしていきます。

もちろん、SESの管理者はメンバーに仕事を与え、成果に対する評価もします。仕事の仕方に問題があれば指摘もします。

ただ、メンバーの給与を査定することは基本的にはありません。

SESエンジニアの給与を決めるのは、多くの場合は営業です。営業はエンジニアのSES契約で獲得した売上から、マージンを引いた分を給与としてエンジニアに還元します。

マージンはSES会社により異なりますが、概ね30%~35%が妥当といったところです。ですので月額で100万の売上が確保できるエンジニアの年収は、780万から840万あたりのレンジになるのが普通です。