叡智の三猿

〜森羅万象を情報セキュリティで捉える

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柔軟性と適応力が必要となるSESエンジニア

ITエンジニアのなかには、SES契約をして、客先に常駐して働く人が多いと思います。

それは、ITを利用するユーザの大企業も、システムの請負をメインにした Sier も、正社員となるエンジニアの採用を抑えている背景があるからです。

ITエンジニアの働き方として、本当に望ましいのは、ITの技術を必要としている会社に直接雇用されることだと思います。

しかし、ユーザ企業にとってのITエンジニアは、事務員と同じく内勤するスタッフです。会社にとってはコストですので、ITエンジニアを大量採用することはありません。

Sier は多数のエンジニアを必要としているのですが、ITのトレンドは目まぐるしく変わります。たくさんのエンジニアを直接雇用すると、変わりゆくトレンドに、会社の技術力が追いついていかないという課題があります。

たとえば、いまはAIがブームです。AIに必要なプログラミング言語は、Python(パイソン)がメインです。また、機械学習やデータサイエンスの知見も重宝されます。

しかし、AIブームが永遠に続くわけではありません。実際、いまのAIブームは第三次と呼ばれてます。第二次は1990年頃に終わっているので、30年近くAIは冬の時代でした。

トレンドの移り変わりは激しいものの、IT業界全体は、慢性的な人出不足です。そのため、労力を補填する、SES企業にエンジニアが集まる傾向があります。

SES企業に入社したエンジニアは、その会社で働くのではなく、客先と呼ばれるユーザー企業や請負系のIT企業に常駐します。

ITエンジニアの働き方

客先常駐の働き方を嫌がるエンジニアは多いのですが、わたしは決して悲観する働き方だとは思いません。

未経験のエンジニアにとっては、現場経験を積むことで確実に技術力がつきます。

経験をもったエンジニアは、その経験を活かすことで、高い報酬を期待できるのもSESの魅力です。多くの現場で経験を活かすことで、SESエンジニアとしてのキャリアが進化します。

情報セキュリティに関心を持つエンジニアは多くいます。情報セキュリティの関心を経験に変えるには、ひとつの会社で仕事をするより、いろいろな客先で仕事をする方が、いいのです。

たとえば、どの会社でも、顧客情報は、顧客との信頼関係を築く上で非常に重要です。ですので、顧客情報は慎重に扱うのは当たり前です。

顧客の同意なしに情報を第三者と共有したり、不正な目的で利用することはしないでしょう。顧客情報を保護するため、適切なセキュリティ対策や、個人情報保護法などの規制順守を義務づけてます。会社は、顧客情報を適切かつ責任ある方法でのみ利用するよう個人情報保護方針を策定し、従業員に対して教育を行ってます。

いっぽうで、顧客情報を活用するレベルは、会社の戦略によって様々です。

どの会社でも、営業部門やサポート部門は、顧客情報を異なる目的で必要としてます。営業部門は顧客情報をマーケティングで活用し、売上獲得に貢献します。サポート部門は顧客のニーズや、クレームを把握しサービスの向上に役立てます。

営業やサポートは、顧客情報を効果的に活用することで、顧客満足度の向上に寄与します。

厳重に取り扱う、顧客情報へのアクセスは、営業やサポートなど、限定された部門にしか見させない会社もあります。

これは、情報セキュリティのCIAのひとつである「機密性」を重視している例となります。

情報セキュリティのCIA

一方、顧客情報をオープンにして活用しようとする会社もあります。

顧客の声を製造現場に共有する会社の例などです。製造部門が製品の品質や、製造プロセスに関する顧客からのフィードバックを受けることで、製品の改善や品質管理の向上に役立つ可能性があります。

顧客の声をリアルに共有する手段として、グループチャットを活用するところもあります。グループチャットには部門の垣根を超えた、多くの社員が入ってます。

クレームであれば、クレーム専用のグループチャットを作成し、顧客と直接相対するサポートメンバーがクレームを投稿します。チャットを通じて、リアルに対応履歴を残す会社もあります。

これは、情報セキュリティのCIAのひとつである「可用性」を重視している例といえるでしょう。

SESとして、多くの客先を経験することで、生きた情報がエンジニアのノウハウとして蓄積されるのはいいことです。

ただ、SESエンジニアは、客先常駐であるが故に、嫌な思いというか・・・不公平に感じることがあるのも事実だと思います。

客先で仕事をしていると、その会社の正社員と、我々のような外部の社員の心理的な垣根は感じなくなります。

しかし、実際には正社員と外部の社員には垣根があります。

そのGAPを感じるときがあります。

かって参画した会社には、社員食堂があったのですが、同じメニューで、社員と外部で価格が違うというのがありました。当然、社員の方が安価です。

おそらく、意図的に差別をしようとしているのではなく、社食は福利厚生のひとつだからでしょう。福利厚生は、あくまで自社の社員のみに適用されるものと考えても不思議ではありません。

頭で理解しても、いい感じがしません。ランチタイムは職場において重要な時間です。社員であろうと客先常駐のエンジニアであろうと、同じ選択が出来る方がいいと思います。

きっと、SESエンジニアとして、第一に必要な品格は、柔軟性と適応力なんだろうと思います。

客先の社風や仕事内容が頻繁に変わる可能性があるので、新しい状況に素早く対応できる能力がいちばん重要なんだと思うのです。