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ショッピングセンターにある貴重なタイ料理のお店(メコン)

タイ料理はすっかり日本に浸透しています。でも、港北ニュータウンでは本格的なタイ料理のレストランに巡り合うのは難しそうです。

タイ料理の魅力は香辛料やハーブを多用することで、辛みはもちろんですが、そこに酸味や甘みが混ざり合い、多彩な味が口のなかに広がることです。

タイ料理は、いい意味で「クセのある味」です。

残念ながら、ファミリー層が多い港北ニュータウンでは、クセのある味は敬遠されます。

センター南の 港北 TOKYU S.C. にある メコン は、港北ニュータウンでは貴重なタイ料理のレストランです。このお店は、地元民にとってエスニックが好きな人のオアシスとなっている気がします。行列が出来るほどの人気ではありませんが、そこそこお店は客で賑わっています。これは希少性の勝利でしょう。

いちばん人気はトムヤム・ラーメンです。世界三大スープの一つでタイ料理を象徴するトムヤムスープにラーメンが入った一品です。想像するより辛さはありません。まろやかで食べやすい味です。食べながら、やはりここは港北ニュータウンのタイ料理なんだと実感します。ただテーブルには、唐辛子やナンプラーや酢があります。まろやかなラーメンを食べながら、唐辛子投入!ナンプラー投入!酢投入!と、繰り返すたびに味が変化するのも、楽しい食べ方です。

メコンはそこそこ賑わっているのですが、ショッピングセンター全体は、綺麗なのにどこか寂れた感じがします。

ショッピングセンターをめぐると、目につくのは、ブランド品のディスカウントや古着屋、しまむらに代表される安さを売りにしたお店です。そこに客が群がっているかというとそうでもありません。客はそこそこいるのですが、あんまりショッピングを楽しんでいる雰囲気がしないのです。時間を持て余しているから暇つぶしに来ている感じです。

もともと、ここは、港北東急百貨店とSCが併設されていたのですが、2006年 に全面的に百貨店からショッピングセンターに業態変更しました。百貨店だったころは、まだ魅力があった印象ですが、リノベーションを繰り返せば繰り返すほど、魅力が薄れてる気がします。

わたしは、システムエンジニアとして、いままで3社のアパレルメーカーのサプライチェーンや会計のシステム構築に携わってました。どのアパレルメーカーにとっても、百貨店は重要な販売チャネルです。ただ、百貨店の販売チャネルを経由した取引では、妙に煩雑な事務処理を設計したのを覚えてます。

下図のように、アパレルメーカーは商品を生産し、百貨店に納品することで、売上計上されます。しかし、百貨店で売れ残ったら、メーカーに返品します。その場合、本来であれば百貨店への返金が発生するので、買掛が起きるのですが、メーカーは新たな商品を納品するので、そこで発生する売掛と相殺します。そのため、実際は相殺請求書として本来の売掛から、返品による買掛を除いた分を請求します。

この取引は、委託と呼ばれる販売形態です。これは百貨店にとっても、メーカーにとっても旨味があります。

百貨店はメーカーから買取で商品を仕入れた場合、在庫はすべて百貨店が追うのですが、委託であれば、無駄な在庫が発生しても、百貨店は在庫をメーカーに戻すことが出来るので、在庫リスクを負うことがなくなります。一方、メーカーにとっては、在庫を抱えるリスクがありながらも、生産した商品を百貨店に大量に納品することが出来ます。変な書き方ですが、メーカーは売上を大きくしたいと思えば、多く生産して売上を作ることができます。

委託は、バブル期にモノが大量に売れるようになったころから発明された販売形態だと思います。

もう委託は、賞味期限の切れた形態にみえます。わたし達はお店に大量の商品があることを望んでいる訳ではなく、買いたいと思う商品があることを望んでいるからです。百貨店であれば、バイヤーが商品を選別して、百貨店イメージを損なわない品揃えをして欲しいと思うのです。

百貨店に魅力が無くなれば、来店客も減るでしょう。百貨店がショッピングセンターに移行するのは、時代の流れで必然性があると思います。ただ、ショッピングセンターになることで、ここはたくさんの店舗が詰め込まれた大きな箱以上でも以下でもありません。

子どもの頃に行った百貨店はもっと輝いてました。

幼いころ、わたしは小田急沿線に住んでいたので、大きな買い物をする際は、家族で小田急百貨店(新宿)に行きました。

エレベータガールに案内されていくのは12階でした。12階には大きな書店(三省堂)がありました。長い時間をかけて読みたい本を探しました。買った本は隣接するカフェでちょっとだけ読んだりするのが楽しかった記憶です。エスカレータで9階に降りると、大食堂があります。大食堂にはチョコレートパフェやお子様ランチなど、オーダーせずにはいられない食べ物がショーケースに並んでました。また、同じ階に遊具を備えた屋上広場がありました。そこにはペットショップが併設され、小鳥や犬を見たのも楽しい思い出です。8階に降りると、レコードや文具や電化製品があります。子どもにとってそれらは見ているだけでもワクワクするような品物ばかりでした。7階は調理器具などの実用品が並んでましたが、販売員が器具の使い方を説明しながら、調理のデモンストレーションをしてました。それを見るのも楽しかったです。6階は全面的に子どもの為のフロアで、おもちゃやらゲームやら手品セットなどワクワクするものばかりでした。

あんなに楽しい場所だったはずの百貨店はもうありません。


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