韓国ドラマにハマるまで、韓国料理とは焼き肉のことだと思ってました。
日本でも焼き肉は古くからありますが、焼き肉店は韓国人の多い川崎にいっぱいあったり、叙々苑などの有名店は在日朝鮮人が経営している話を聞いてるからです。
冬のソナタが大ヒットしたころ、韓国ブームが押し寄せました。テレビではたびたび、韓国の本場料理が紹介されるのを放映していました。その番組で紹介されるのは、肉をハサミで切って焼いて野菜に巻く料理・・・サムギョプサルのことですが、韓国の人は焼き肉ばかり食べている印象を持ってました。
しかし、実際の韓国料理は焼き肉がメインでなく、肉といっても、牛よりむしろ豚や鶏の方がメインです。
本場の韓国料理を食べるなら聖地の新大久保に行くのがベストです。
逆にわたしの地元(横浜の港北ニュータウン)では、韓国料理店はあまりメジャーではありません。子育てに追われるファミリーにとって、韓国料理は辛すぎて熱すぎます。小さな子どもにチゲ鍋を近づけるのは確かに危険だと思います。
センター南駅近くにある伽耶廊(かやらん)は、港北ニュータウンではあまりない、韓国料理店のひとつです。このお店も日本の韓国料理店は、焼き肉がメインのイメージどおり、メインは焼き肉です。しかし、何を頼んでもお通し(キムチ、ナムル・・)が、しっかりと添えられているところは、本場の韓国料理店ぽいです。下の写真を撮った日は妻とスンドゥブチゲとヤンニョムチキンライスを分け合いました。
辛さは控えめです。ファミリー層にとってはかえって、ありがたいと思います。韓国料理ではないカレーライスもあるので、安心です。店内は座敷になっているのは、子ども連れには嬉しい作りです。店員さんは、韓国人ですので、近場で韓国本場の雰囲気を感じます。
その辺が評価されているのか、チェーン店でも食べログの評価は 3.34と高めです。
焼き肉といえば、センター北駅には、有名な叙々苑があります。また、センター南駅には、これまた有名な牛角があります。
これらの有名な焼き肉店に勝つためには、焼き肉を全面に出すより、韓国料理を全面に出す方が得策です。わたしの記憶では、以前の伽耶廊は、もっと焼き肉色が強かったと思います。それだと、強いブランドイメージがある叙々苑や牛角には勝てません。もちろん、味で勝負する手もありますが、そもそも子育て世代にとっては、味よりも食べやすさを重視します。どんなに美味しい料理を堪能しても、赤ちゃんが泣いたら、さっさと会計して店を出なければいけない事情があります。
伽耶廊は、競合が多く規模の大きな店が多い、焼き肉店から、韓国料理店にブランドのイメージチェンジをはかることで、成果を出してる気がします。
これは、差別化戦略と呼ばれる経営戦略にあたります。
マイケルポーターは、市場において競争優位性を獲得するための3つの基本戦略を提示してます。
コストリーダーシップ戦略
自社の商品やサービスの価格を競合他社より下げる戦略です。この戦略は一般的に商品やサービスの利幅を下げます。しかし、より多くの数を売ることで売上と利益を向上させます。
集中戦略
市場を絞り込んだり、商品やサービスを強みのあるものに特化するべく、経営資源を集中させて費用対効果を高める戦略です。
差別化戦略
自社の商品やサービスが「他社のものとは異なる価値がある」と消費者にブランドイメージを与える戦略です。
一般的に差別化戦略は、中小企業が大企業に勝つための戦略とされます。さらに差別化に加え、地域を絞り込む集中戦略を組み合わせることで、小さな投資で大きな効果を狙う手法もあります。伽耶廊は横浜に3店舗(センター南、仲町台、三ツ沢)にあるのみです。これは、差別化と集中化を組み合わせた戦略だと思います。