Netflixで「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」を視聴しました。
今シーズンも面白い韓国ドラマが目白押しなのですが、サラリーマンのわたしがドラマを見られる時間は限られてます。
面白いドラマであっても、再生速度を早めたり、ブログを書きながらドラマを見ることで、視聴時間を効率化することも少なくありません。
しかし「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」は、違いました。
ほぼ画面から目をそらすことなく、じっくりとドラマの世界にハマりました。
ただこのドラマ、誰にも勧められる作品ではありません。
ラブコメ要素はゼロですし、サスペンスホラーが苦手な人は見るのをためらうかもしれません。
何と言っても、コ・ミンシの狂った演技に惹きつけられました。
コ・ミンシは「5月の青春」での悲劇のヒロイン的な演技が、わたしのなかで強く印象に残る女優さんです。
ただ、どちらかというと、主演女優のお友達的な立ち位置で出ることが多く、性格も意地悪な役どころが多かったと思います。
「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」は、物語の中核を占める役割で出演されていて、これは相当な当たり役になると思います。
ドラマでは、人のいない森の貸別荘に女性と子どもが宿泊するのですが、チェックアウトして帰るときには、子どもの姿がいないことにオーナーは気づきます。
貸別荘の浴室は、磨きがかかり漂白剤の匂いがします。宿泊していたとき、女性が好んでかけいたボビー・ブランドの曲(Ain’t No Love In The Heart Of The City)のレコード(Dreamer)には血らしきものがついてます。
Ain't no love in the heart of the city,
(都会のなかに愛はない)
There ain't no love in the heart of town.
(町のなかに愛はない)
Ain't no love, and it sure 'nuff is a pity,
(哀れみはもうたくさん)
There ain't no love, cos you ain't around.
(愛はなく、お前もいない)
Baby, since you been around.
(ベイビー、お前が去ってしまってからは)
~Ain't No Love In The Heart Of The City/Bobby Bland
状況をみると、明らかに殺人事件の様子??
オーナーとして正しい行動は、警察に通報することでしょう。しかし、オーナーはそのような行動をとりませんでした。
なぜか?
そこから、オーナーとその周囲の人々の人生が大きく狂い始めます。
わたしはこのドラマを見ながら、途中から「組織に於ける、内部不正による情報漏えい等の被害」について考えてました。
「内部不正による情報漏えい等の被害」は、IPAが毎年リリースしている「情報セキュリティ10大脅威」の3位(2024年)に位置してます。
社員に対する「情報セキュリティ教育」を通じ、内部不正に対する組織的な対策をしている会社も多くあります。ただ、その実態は「内部不正」を防ぐための教育です。
実は内部不正と思われる事象を見つけた際の報告を徹底している会社は多くありません。
そのため「内部不正」は、実態が見えない情報セキュリティインシデントの代表です。情報セキュリティインシデントに占める「内部不正」の割合は、数パーセント程度とされてますが、実態ははるかに大きいでしょう。
これは「内部不正」を組織で透明化することで、人間関係が悪化し、日常業務に影響することを管理者は懸念しているからです。内部不正があった事実を上司に報告しても、組織が適切な対応を取らない可能性があります。そうすると、内部不正を犯した人より、内部不正を報告した者が、不利益を被ることもあり得ます。
「内部不正」に対する社員のリテラシーの低さを補うべく、技術的な対策をしている会社も多いと思います。
たとえば、内部不正を誘発しやすい、USBメモリーなどの外部記憶媒体への書き込み禁止です。
WindowsPCであれば、”gpedit.msc”のコマンドを実行すると、ローカルグループポリシーエディターという画面が開きます。
この画面から「管理者用テンプレート>システム>リムーバル記憶域へのアクセス」と、階層を深くたどっていくと、各種リムーバルデバイスに対するセキュリティ設定が可能な画面が出ます。
技術的対策で内部不正を食い止めるのは限界があります。
やはり、内部不正を見つけた場合は、適切な報告先に報告をするべきでしょう。内部不正行為を放置することは、長期的には大きなリスクです。