ワンコイン(500円)を手にして、ビジネスランチのあてを探します。
しかし、近所にはワンコインでランチが食べられる飲食店がほぼ見当たりません。
比較的近い、すき家のいちばん安い牛丼なら、400円なので OK !でも、ちょっと栄養のバランスを考えてサラダセットにすると +190円・・・500円オーバー NGです。
以前は、近所界隈にもサラリーマンを相手にした、ワンコインランチを提供するお店がちらほらありました。
この街(横浜市の港北ニュータウン)は、基本は住宅街です。ただ、街の開発が新しいのと、都心や横浜中心部からのアクセスが悪くないため、会社の研究所やデータセンター、コールセンターなど、広い敷地が必要な会社の施設がいくつかあります。2024年9月には、グローバル企業のボッシュが2000人を集める本社を港北ニュータウンに移転する予定で、サラリーマン人口は増加傾向にあります。
そうしたサラリーマン相手のワンコインランチのお店が見当たらなくなってしまいました。
近くにある個人経営の飲み屋さんのランチはかって ワンコイン を売りにしていました。でも、いまは800円です。一年前は 600円 だったので、急速にあがってる印象です。
ともすれば、ランチ難民になりそうな、わたしに救いの手を差し伸べるのは、サイゼリヤです。わたしはSESのエンジニアなので、いままで様々な客先企業を渡り歩いているのですが、どの客先企業に行っても、そこにはサイゼリヤがあります!!ミラノ風ドリアは、わたしの胃袋にどれだけ寄与してきたんだろう・・・。
そして、もう一軒の神は、ロピアというスーパーマーケットです。ここは、500円以内でいろんなバリエーションのお弁当を販売してるので重宝します。ハシやレジ袋は有料(2円)ですが、それでも ワンコイン でお腹いっぱい、美味しく食べることができます。
飲食店やコンビニで利用できるの食事補助サービスを提供する株式会社エデンレッドジャパンが「ビジネスパーソンのランチ実態調査2023」を実施しています。
そこで、次のような衝撃を受ける結果が公表されています。
- 長引く物価高・値上げで、ランチ代が減った人は約4割(38.3%)!前回33.7%より悪化。また、ランチ代平均は400円に。前回436円より大幅ダウン
- ビジネスパーソンの7割が金額を理由にランチで食べたいメニューを我慢した経験あり。過去2年と比較しても最多の結果であり、ランチ事情はより悪化傾向にあることが判明
- ランチを食べないことがあるのは、4人に1人。また、ランチを食べない人の欠食頻度は、週4回以上が約3割となり激増
引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000056034.html
円安、燃料費の高騰、食材費の高騰、最低賃金の上昇・・・日本は長引くデフレから急速なインフレに舵を切ってます。インフレ自体は経済成長を伴っていれば、よい傾向ですが、どうもそうではありません。家計はしぼるところをとことんしぼって、生活のやりくりをしています。
サラリーマンのランチ代・・・家計にとってもっとも抑えるべき支出のひとつでしょう。
一般に家計を見直す際は、一度削減することで長期間にわたって支出を減らすことのできる固定費に焦点をあてる方が、食費のような変動費に着目するより効果があるとされます。ただ、いまの実態は、固定費も変動費も、とにかく、減らすべきものは減らそうと考えているかもしれません。
サラリーマンに於けるワンコインランチは、市場均衡の価格だと思います。
市場均衡とは、需要と供給が等しくなるよう、調整された価格を指します。
- 生産者が供給しようとする財の総量が、消費者が需要しようとする総量に合致するように取引量が定まり、外的条件の変化がないかぎりその状態が持続される均衡状態。
アダム・スミスが「神の見えざる手」と、たとえた市場調整のメカニズムにあてはめます。
仮に 需要量:d、 供給量:s、 取引価格:p として、あるエリアに1000人いる サラリーマンのランチ市場が、下記の関数で表せると仮定します。シンプルな関数で示しました。取引価格(p)が上昇すれば、その分、需要量が減ります。一方で、供給量が増えることをイメージした関数です。
- d(需要量)=1000-p(価格)
- s(供給量)=p(価格)
この関数をグラフ化すると、下記になります。需要曲線と供給曲線が、交差するところが、市場均衡です。価格が均衡価格、取引量が均衡取引量です。
しかし、均衡状態は壊れました。いまのサラリーマンがランチに求める価格は、500円でなく、400円になってしまいました。
400円 でランチを供給できるお店はかなり限定的です。果たして、400円が 市場均衡となるメカニズムは働くのでしょうか!?
特に外食店は軒並み苦しいはずです。外食の場合、原材料費に加え、人件費も多くかかります。どちらも高騰しています。更に、中食は軽減税率が適用されますが、外食は10%の税がかかります。
原材料費をベースとして、積み上げ方式で価格を考える飲食店は、400円以下で美味しいものを提供することは出来ないでしょう。
いままでは、170円の原材料費だったから、なんとか500円でも採算が取れたが、原材料の高騰で190円にあがったから、600円に価格転嫁しなきゃ商売ができないよ。
顧客が望む価格ありきで、逆算的に採算のとれるビジネスを考えられる会社が、どれだけオペレーション改革を実現できるかにかっているのでしょう(←言うは易く行うは難し!)。
「ランチを抜いたほうが、午後眠くならないし、仕事がはかどる。」という人もいるのですが、わたしはランチを美味しく食べたい派です!!
金曜はカレーにしようかなぁ~。