叡智の三猿

~情報セキュリティで森羅万象を捉える~

ロミオとジュリエットとデート商法

消費者ホットライン

余り知られていないと思いますが、電話番号188は、消費者庁が設置している消費者ホットラインです。

事業者と消費者で起きるトラブルの相談窓口として、全国に「消費生活センター」がありますが、消費者ホットラインは、全国共通の電話番号で、地方公共団体が設置している身近な消費生活相談窓口をご案内する電話番号です。
消費者ホットライン | 消費者庁

マグネシウムを含んだ商品を洗濯機に入れると、その効果で洗剤を使わずに洗濯できると表示した商品が発売されたり、「2週間でまつ毛が伸びる」とうたった美容液が発売されたりします。そして、そのような広告表示は、根拠がないとして、景品表示法違反(優良誤認)の指摘を受けます。
www.nikkei.com
誇大広告などによる消費者トラブルは、むかしもいまも、いつも存在します。

困った、騙されたと感じたら、「消費生活センター」に相談するのがよいかと思います。

ただ、こうしたトラブルで、なかなか相談するのが難しいケースもあります。

相談が難しいデート商法

デート商法は、相談が難しい典型です。

デート商法」は、恋愛感情を利用した詐欺です。攻撃者は出会い系サイトやSNSを通じて、異性に近づき、デートを重ねることで、相手に好意を抱かせます。そこに付け込んで、高価な宝石などを販売する手法です。実際に相手が購入してしまったら、連絡が取れなかったり、取りづらくなります。

このとき、被害者は攻撃者に対する恋愛感情を相手が抱いていることから、買うのが高額商品であっても「断りにくい」感情を抱きます。購入(契約)後もクーリング・オフに踏み切る気持ちにもなりにくいのです。

クーリング・オフとは
いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度です。

(参考)消費者庁:取引対策課のPDFhttps://www.caa.go.jp/publication/pamphlet/pdf/info_pamphlet_171115_0001.pdf

また、普通の詐欺?では、親族や友人から「それ、騙されているよ!」と、助言をもらうことで、冷静になって考えることが出来ますが、恋愛感情を抱いていると、周囲の助言が逆効果になる可能性があります。

ロミオとジュリエット効果

これは心理学のロミオとジュリエット効果」によるものです。
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人の感情に関する理論で「生理・認知の二要因理論」というのがあります。これは、人の感情は生理的な興奮と、それを説明できる状況のふたつの要因で決定されるとされる理論です。すなわち、相手に元々、好意を抱いていたところに、周囲から「騙されている!」と反対を受けると、それによって感情が高ぶり、興奮します。その感情の高ぶりを「相手のことをこれほど、好きなんだ」と認知することで、恋愛感情はより高くなるのです。

もちろん、「デート商法」に於いて、この恋愛は一方的なものです。相手は高額な商品を売りつけようとする詐欺師なわけですから・・・。ひとりロミオ、若しくはひとりジュリエットです。

実際に騙されて、高額商品を購入したあと、相手と連絡が取れなくなったら、やがて騙されたことに気がつくでしょう。あのときに感じた恋愛感情は一気にさめるでしょう。しかし、そのときは既にクーリング・オフの期間を過ぎています。

どれだけ、相手に思いを寄せても、高額商品を勧めた時点で「ヤバいな、こいつ」と気づくべきでしょう。