昨日は毎月第3土曜日に開催されている大和の骨董市に行きました。
この市は大和駅を降りた東西のプロムナードに多数の骨董品屋さんが出店してる大規模な催しです。結構、骨董市が好きで、定期的にここに行っていたのですが、コロナ禍以降は足が遠のいてました。昨日は久しぶりの訪問です。
販売されてる骨董品の種類は実に多種多様です。陶磁器、時計、古銭、古書、おもちゃ、看板、レコード、布類・・・。明確に買う目的を持たずとも、見ているだけで一日楽しめます。
特に昨日は12月としては記録的に暖かい日でした。ぽかぽかした陽気のなか、楽しく市場を巡ることができました。
ずっと巡った挙句の戦利品は花瓶です。閉店間際の時間だったためか、店主さんが3,000円 を 2,000円 におまけしてくれました。なかなか素敵なデザインですよね!?
なぜ、古いものに惹かれてしまうんだろう・・・。
いまの世はあまりにも多くのモノやコトがスピーディに消費され、またたくまに変化してます。
情報セキュリティを例に出すと、セキュリティの考え方の原理原則は、「ゼロトラスト」という言葉です。
言葉通り「何も信用しない」という意味です。
「古いモノや考えは信用せず、常に最新の技術や思想を取り入れよ!!」というのが、「ゼロトラスト」を理解する分かりやすい言い方です。
ちょっと前であれば、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を実施するうえで、いちばん大切なことを情報セキュリティの専門家に聞くと、誰もがこう答えてました。
ファイアウォールを設置して、社内ネットワークにインターネットを通して外部から侵入する不正アクセスを止め、社内ネットワークから外部への許可されていない通信を許可しないことですね。
ファイアウォールは守るべき、社内ネットワークのセグメントと、危険なインターネット空間の間に防御壁を設けて、社内ネットワークの安全を確保するモノです。
しかし、今日ではファイアウォールを設置すれば情報セキュリティの安全が確保されるという考えは崩れてます。
背景として、時間とコストのかかる社内システムを構築するより、インターネット空間に存在するクラウドサービスを手軽に業務利用する会社が増えてること。会社は機器の購入費用を抑えるため、社員個人のパソコンやスマホの使用を認め、社員は自宅や通勤経路からVPNを経由して社内ネットワークに入ることが普通になったことが挙げられます。
その結果、インターネットと社内ネットワークの境界線が曖昧になりました。
「ネットワークセキュリティの安全設計をもう一度やり直しましょう」という動きを加速してます。
こうして、いまあるものは捨て、常に新しいことを取り入れていく。
それは正しいと思うのですが、どこか刹那的でもあります。
- 時代に取り残されてはいけない。
- 過去を振り返っても見るべきものはない。
- 常に新しいことを学び取り入れなければいけない。
刹那による少しばかりの疲れがこころを支配するなか、時間がずっと経過した古いものをみたとき、とてつもなくノスタルジーを感じます。
もちろん、ノスタルジーを感じるのはわたしだけではありません。
事実、人々が心の底で求める癒しや安心感を利用した「ノスタルジーマーケティング」と呼ばれるビジネス用語も存在します。
大和の骨董市に多くの人が集まるのは、ノスタルジーマーケティングが成功しているからだと思います。
自分が子どもの頃、見たモノを目にすると、あの頃の記憶が美化された状態で呼び起こされます。その記憶がモノへの好意に結びつき、購買意欲を促すのです。
骨董品巡りで疲れた足を休めるため、大和駅前にどーんと存在感をもってそびえる、「純喫茶フロリダ」に入りました。
店内は、昭和そのものの原色図鑑。センスの良し悪しでは語れない、魅力を発信しています。そして、店内は昭和ノスタルジーを知らないはずの、若い男女で賑わっています。
ランチはナポリタンセット、ピラフセットと多様ですべてが 900円 でコーヒーか紅茶がつきます。
結局、このお店の存在こそが、いちばんの骨董品かもしれません。
やまとプロムナード古民具骨董市
- 毎月第3土曜日7:00~16:00 開催(雨天決行)小田急江ノ島線・相鉄線「大和」駅徒歩0分