叡智の三猿

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中小企業のブランディングとリスクマネジメント

今年の6月16日に、 K-POPアイドルの「FIFTY FIFTY 」を取り上げました。所属事務所が中小企業で、韓国国内でマイナーな存在なのに、いきなり世界のビルボードにチャートインしたことを絶賛しました。

グローバル市場では、大手企業でなければ、競争に勝てないと言われます。でも、それは大手と同じ土俵で戦うからです。あえて、大手とは真逆の戦略をとることで、中小企業でも世界で戦える可能性を感じます。
www.three-wise-monkeys.com

しかし、この記事を投稿してから、わずか3日後の 6月19日に、メンバー4人がソウル中央地方裁判所に専属契約効力停止仮処分申請を提出するという「え??なんで?」というニュースが飛び込みました。

メンバーが所属している事務所は、ATTRAKTという中小企業です。経営資源が脆弱な会社のようです。メンバーのプロデュース業務は、THE GIVERS という会社にアウトソーシングしてました。4人のメンバーは THE GIVERS 側へと気持ちがなびき、所属事務所(ATTRAKT)に専属契約を停止して欲しいと訴えたのです。

この経緯は、影でいろいろな取引がされていることが、憶測を含め飛び交ってます。

デビュー間もないアイドルグループが、世界的なスターに躍り出た瞬間、泥沼に陥ったのです。

中小企業に焦点をあてて、この騒動を見ると、中小企業の強みと弱みが短期間で現れた事例だと思いました。

ブランディングが9割(乙幡満男 著 / 青春出版)では、ブランディングに於ける中小企業の強みを次のように書いてます。

これもよく聞く話かもしれませんが、大手は会議の多さ、決裁者の多さにより、経営判断に時間がかかりがちです。実際、ある大手スーパーで、社長決裁から差し戻された案件が、次の審議に入るまでに、2ヵ月半もの空白期間があったということがありました。

それと比較すると、小さい会社は社長の決断ですぐ決まることが多く、大手より迅速に物事を進めることができるのです。デジタル時代に突入し、目まぐるしく変化する市場の中でお客さんに応えていくには、意思決定が早い小さい会社の方が有利と言えるでしょう。

ブランディングが9割 [ 乙幡満男 ]

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感想(2件)

わたしは、社会人として、半分を大企業で過ごし、もう半分を中小企業で過ごしています。この本に書かれている文脈は実感としてよくわかります。

FIFTY FIFTY は、「中小企業の奇跡」と評されることがありますが、実際は奇跡ではなく、中小企業の強みである、意思決定の早さがブランドづくりの成功につながったんだと思います。ほかの第4世代のK-POPと差別化をはかった、ダンス中心ではない、生身の歌声の良さを前面に出し、TikTok を通じたプロモーションが功を奏しました。

しかし、FIFTY FIFTYの 所属会社は、リスクマネジメントが機能せず、中小企業の脆弱な経営基盤が、結果としてアウトソーシング先から決別を宣言される事態を招いたようにも見えます。

大企業の意思決定が遅いのは、組織が大きいことによって、情報伝達が上手く機能せず、会議が多いことに起因しているのは事実です。

しかし、決して無駄な会議を重ねているだけではありません。

大企業は役割をもった組織をいくつも内部に抱え、それぞれの組織に於いて、専門的な知見をもった人材が多角的に事案を検討します。

検討材料のなかには、リスク分析があります。リスク分析は、リスク発見・リスク特定・リスク算定・リスク評価の4つのステップで進めます(下記)。

  • リスク発見:リスクの全体像を把握するためのリスクを抽出する。
  • リスク特定:発見されたリスクの中から、企業にとって重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定する。
  • リスク算定:特定したリスクの重大性を算定する。一般的には事態の起こりやすさ(発生確率)と事態が発生した場合の影響の大きさ(損害の大きさ)の二要素で算定する。
  • リスク評価:算定したリスクを、あらかじめ決めたリスク基準と比較し、対応の要否、重要度を判定する。

検討するべき、リスクの種類は多種多様です(下記)。

組織の役割によるリスクマネジメント例

大企業に於いては、検討材料が多いことが、意思決定の遅れにつながるマイナスの側面がありますが、リスクが顕在化した際の対処方針は明確になります。

中小企業は弱者です。

スピーディな意思決定が功を奏し、事業が順調に進むと、儲けを実感するのも早いのが中小企業の特徴です。順調な業績に支えられ、ボーナスが多かったりすると、「強者」の意識が、中小企業の社員に芽生えがちです。

しかし、一度でも資金繰りが厳しくなったり、情報セキュリティの事故などが起きると、あっという間に取引先からの信用を失います。そして、一気に経営が行き詰まる可能性が高いのが中小企業の現実です。

中小企業は「弱者」であることを自覚し、進むべきときは、率先して進み、引くべきときは、いち早くさっさと引くーーーそんなしたたかに生きる戦略を考えることが重要だと思います。

ところで、FIFTY FIFTY の4人のメンバーは、お互いがどういう道を進むんだろう!?

メンバーは20歳そこそこです。才能はあるもののの、子どもの意識を脱してないアイドルです。

10月16日、メンバーのキナがソウル高等裁判所に抗告取消書を提出し、ATTRAKT復帰が確定しました。そして、ATTRAKTは、セナ、シオ、アランの3人のメンバーに対して、専属契約の解除を通告ました。これによって、FIFTY FIFTYは事実上の解散になりました。

FIFTY FIFTY のメンバーは、大人社会のエゴによる犠牲者でしょうか!? Cupid、とても好きな歌だったのに、残念でなりません。