叡智の三猿

〜森羅万象を情報セキュリティで捉える

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昔ながらの「カスタマーサクセス」

CSという ITビジネス 用語を聞いた時、昔のエンジニアは、Customer Satisfaction(顧客満足)を連想しました。今のエンジニアは、Customer Success(カスタマーサクセス)を連想する人が多いかもしれません。

カスタマーサクセスも、結局は顧客満足を目的にしているので、両者は類似してます。カスタマーサクセスは、サブスクに特化した顧客満足と理解するのがいいと思います。

サブスクとは、サブスクリプション(subscription)の略です。月額など一定期間毎に代金を支払って、商品やサービスを受け取ることができる仕組みです。ネットフリックスやアップルミュージックが有名なので「サブスク=ネット上でのサービス」をイメージする人が多いのですが、サブスクはネット上のサービスに限定したビジネスではありません。

むかしからあるビジネスモデルのいち形態です。

たとえば、昭和から続く、牛乳や新聞の宅配も月額課金です。これらは立派なサブスクです。カスタマーサクセスという言葉は、新しいのですが、実は昭和からカスタマーサクセスは実践されています。

ここでは、新聞(四大全国紙)の宅配という昔ながらのサブスクでの「カスタマーサクセス」について書いてみます。

わたしの近所にある書店では、ポイントカードを配布してます。本を買うと100円で1ポイントを貯め、500ポイントたまると500円の商品券を貰えます。書店がポイントカードを発行するのは、顧客の再来店を促すためです。顧客の来店頻度が増せば、店舗は安定した売上を確保することができます。

近所の書店と異なり、新聞は毎日、勝手に配達されます。

サブスクの売上にダメージを与えるのは、顧客からの解約です。新聞であれば、朝刊と夕刊をあわせると、新聞社によって価格は違いますが、概ね月額4千円~5千円あたりです。解約されるとその売上はゼロになります。

新聞社にとって解約とは、死です。解約されない為の顧客満足を提供する必要があります。

それが「カスタマーサクセス」と呼ばれる手法です。

カスタマーサクセスは、文字通り「成功を顧客に届ける」意味です。

新聞は社会の出来事を伝えています。しかし、どの新聞も同じことは書いてません。起きた社会的な出来事をどんな論調で伝えるかが、新聞の特徴です。四大全国紙(朝日・毎日・読売・産経)では、下図のようなリベラル色と保守色に分かれます(実際は日経新聞を含めて五大新聞と呼ぶべきですが、日経は経済紙なので、ほかの四つと毛色が異なるのでここでは省きます)。

新聞のリベラルと保守の傾向

リベラルと保守の違いについて、分かったようで分からない部分があります。

ChatGPT 先生 に聞いてみます。

日本に於けるリベラルと保守の違いを教えてください。

ChatGPTは、こう答えてくれました。

日本におけるリベラルと保守の違いは、一般的な定義に基づいて以下のように説明できますが、日本の政治状況や文化的背景によっても個別の特徴が異なることに留意してください。

リベラル:
・社会的進歩と個人の権利:日本のリベラルは、社会的な進歩や個人の権利保護に重点を置きます。彼らは、性別平等、LGBTQ+の権利、少数民族の権利、障害者の権利などを支持する傾向があります。また、個人の自由、表現の自由、報道の自由を重視します。
・社会的な格差の是正:リベラルは、社会的・経済的な格差を是正する政策を支持します。所得再分配、社会保障制度の充実、公的な福祉政策の強化などがその例です。
・平和と国際協力:日本のリベラルは、平和主義的な外交政策や国際協力を重視します。軍事的な安全保障よりも外交交渉や国際協力の手段を優先する傾向があります。

保守:
・伝統と安定:日本の保守は、伝統的な価値や社会の安定を重視します。家族の重要性、教育の伝統的な役割、地域社会の絆などを重要視する傾向があります。
・経済自由主義:保守派は、市場の自由な運営や少ない規制を支持します。企業の自由な経済活動や競争の促進、税負担の軽減を重視する傾向があります。
・国家安全保障と主権:保守派は、国家の安全保障と主権の重要性を強調します。軍事力の維持や国境管理の強化、国益を守るための外交政策を支持する傾向があります。

これらの特徴は、一般的な傾向を示していますが、個々の政治家や政党の立場は多様であり、必ずしも一致しないことに留意してください。

ChatGPTは ビックデータを AI による解析からマッチしそうな回答をする仕組みなので、必ずしも正しい回答をするわけでなく、事実誤認も多々あるので鵜呑みにしてはいけないのですが、今回頂いたリベラルと保守の違いは、わたしがイメージした内容とあいます。

世の中で起きた出来事を解釈する際、リベラル的な思考で解釈するか、保守的な思考で解釈するかによって、評価は分かれます。

たとえば企業で保管している「個人情報の取り扱いをより規制しようとする動き」があるとします。過去の具体的な例としては、2018年からEUで施行された(GDPR:General Data Protection Regulation/EU一般データ保護規則)です。

日本に於いて、GDPRで派生した対応は、ブラウザのログイン情報をためた「クッキー(Cookie)」についてです。これを第三者に提供すると個人が特定できる場合、利用者の同意を確認することを企業に義務付けるようにしてます。Webサイトを開くと、下記のようなメッセージがよく出るようになったはずです。

Cookieの利用に同意

GDPRでは、企業の個人情報の扱いをかなり規制してます。企業に規則に対する厳格な対応を求めています。個人情報の管理者は、データの侵害に気付いたら72時間以内に、規制当局へ報告するなどです。規則に違反すると、企業は多額の制裁金を課せられます。企業に厳格な対応を求めるのは、EUが「個人の権利」を保護することを重視してるからです。EUは日本に比べてリベラル色が強いので、「企業の権利」と「個人の権利」が衝突した場合、個人の権利を優先する傾向があります。

日本はEUに比べ保守的です。GDPRのような情報セキュリティに絡む規制が働くと、企業の自由な活動を阻害する要因になりかねないと警戒する人が大勢います。

社会的な事案に対して、人は自らの思考に基づいて事案を評価します。自らの思考を後押しし、さらに理論的な肉付けをしてくれるのが、新聞の論調です。

読者は自らの考え方を肯定してくれる言葉を掲載する新聞を読むことで満足します。だから、リベラル層は「朝日」や「毎日」、保守層は「読売」や「産経」を読もうと考えます。

新聞に於ける「カスタマーサクセス」は、読者ニーズに応える論調を提供することです。そして、新聞の論調は、新聞という商品そのものを特徴づけます。

カスタマーサクセスは、企業が契約している顧客のニーズを微細に把握することで、自社の商品開発に連動する仕組みです。