叡智の三猿

〜森羅万象を情報セキュリティで捉える

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なんでも、見よう!言おう!聞こう!

いま、政府と企業が一体となって「雇用の流動化」を進めようとしています。雇用が流動化すると、会社は高いスキルを持った人材を採用できる可能性が高まります。高スキルの社員が集まることで、事業の成長に大きな貢献をしてくれるはずです。また、即戦力を投入することで、会社としては社員教育という効果があるかどうか分からないコストをかける必要がなくなります。

こうした「雇用の流動化」による日本経済へのメリットは、以前から指摘されていました。ただ、コロナ禍では、沈静化していました。社員が転職活動すること自体、感染リスクにつながるからです。

アフターコロナとなり、それまで沈静化していた「雇用の流動化」というマグマが一気に噴き出したようです。

ただ世の中には「雇用の流動化」に対する懸念もあると思います。あらゆる物事にはメリットとデメリットがあるのが常ですから・・・。

「雇用の流動化」にどんな懸念が想定されているかは、ChatGPTに聞くのがいちばん適格だと思ったので、聞いてみました。

「雇用の流動化」が進むことで産業のさらなる発展と成長が起こることが期待されていますが、逆に問題もあると思います。いちばん大きな問題はなんだと思いますか?

ChatGPTが答えてくれました。

「雇用の流動化」は、労働者が転職しやすくなり、企業が必要な時に必要な人材を採用しやすくなるという利点がありますが、その一方でいくつかの問題が懸念されています。

その中でも最も大きな問題の一つは、雇用の不安定化や不確実性が増すことです。雇用の流動化が進むと、従来の正社員雇用から非正規雇用(アルバイト、派遣社員、契約社員など)への転換が進むことがあり、労働者にとっては雇用の安定性や福利厚生の低下が懸念されます。また、企業側も、雇用の流動化によって人件費の削減やリスク回避を図ることができますが、その一方で人材確保や育成にかかるコストが増大する可能性があります。

さらに、雇用の流動化が進むことで、企業間の競争が激化し、一部の企業が市場を支配するようになる可能性があります。このような状況下では、労働者の賃金や待遇が低下し、社会的格差が拡大する恐れがあります。

以上のように、雇用の流動化には利点とともに懸念すべき問題が存在しています。政策立案者や企業は、このような問題にも目を向けながら、雇用の流動化を進めることが求められます。

ChatGPTは、賛否の分かれるテーマに対する意見を最大公約数的に集約し、自身は中立的な立場にたって見解を語るのが毎回、すごいなと感心します。しかも言葉が明瞭で、誰にでも読みやすい文章で語ってます。「雇用の流動化」に対するChatGPTの懸念も腹にストン!と落ちるようです。

このブログは「森羅万象を情報セキュリティで捉える」というモットーを掲げているので、ChatGPTのような中立性はありません。見解は偏ってます。

そして「雇用の流動化」が促進されることに対する懸念で、ChatGPTが、会社の持つ個人情報や機密情報が外部に流出することを挙げていないことに驚きました。

「雇用の流動化」が進むと、消費者としてわたし達が会社に預けた個人情報ーーたとえばクレジットカードの番号や、商品に対するクレームなどが退職した社員を通じて外部に流出するかもしれません。

しかし「雇用の流動化」が情報セキュリティに及ぼす悪影響は、あまり語られていないように見えます。

ちなみに個人情報とは、氏名、住所、性別、生年月日、電話番号、勤務先など個人を識別できる情報や、ほかの情報と組み合わせることで個人を特定できる情報をいいます。

【個人情報の例】

  • 基本情報:氏名、住所、性別、生年月日、国籍
  • 家族情報:親族、婚姻歴、家庭状況、居住地
  • 社会情報:職業、学歴、資格、賞罰、成績
  • 経済情報:資産、借金、納税


個人情報保護法により、会社はわたし達の「個人情報」を適切に保護することが定められています。

しかし、会社が個人情報や機密情報を適切に管理していることを第三者が認証する制度ーー ISO27001(ISMS)やプライバシーマーク制度(Pマーク)は、会社や組織単位で認証されます。会社の従業員は審査の対象になりますが、当然ながら既に退職した社員を審査の対象にすることはありません。

ですので、退職する予定の社員に対しては、特に厳しい監視が必要です。

たとえば、退職する社員が機密情報を記載された紙文書を外部に持ち出すかもしれません。そういう場合に備え、社員が退出する際に手荷物をチェックするなどです。あるいは、サーバーに格納された個人情報を外部記憶装置に落として持ち出そうとするかもしれません。そういう行為は、ログ監視によるアラートを発砲するような対策が必要でしょう。

しかし、どんな情報セキュリティ対策を施しても、社員が会社の仕事で得た記憶そのものを退職にあたって消去することは不可能です。

ですので、「雇用の流動化」が進めば進むほど、情報の機密性が阻害されるのは明白です。それも加速度的に情報は漏えいすると思います。雇用が流動化された社会では、自分が得た知識を積極的に発信することで、組織における自己の存在価値を高めることにつながるからです。三猿の教えーー「見ざる、言わざる、聞かざる」は、ネガティブな態度と捉えられます。「なんでも、見よう!言おう!聞こう!」こそが、望ましい態度にうつります。

情報の機密性を守る視点で捉えると「雇用の流動化」は、脅威しか感じません。