三角チョコパイ、人気ありますね。サクサクして美味しかったです。寒さを感じるこの季節にホッとする時間でした。
ファストフード店でのアルバイト
1980年代の後半、わたしは大学生で、あるファストフード店でアルバイトをしていました。わたしの雀友K君は、新宿のマクドナルドでアルバイトをしていました。わたしとK君は近所住まいで、麻雀はK君の家か近所の雀荘でした。
ある夜、牌をうちながら、K君は次のようにボヤキました。
いやあ、マックのバイトまじでキツイよ。覚えるべきマニュアルがたくさんあって、それをキッチリ守らないとすげえ注意されるよ。バイトと思って甘く見てたが、マジで大変な仕事だよ。

わたしはK君の言葉を聞きながら、自分がアルバイトしているファストフード店を連想しました。わたしがバイトをしているファストフード店は、マクドナルドと同じく、ハンバーガーを作っています。しかし、それほどマニュアルは多くありません。マニュアルに厳格なオペレーションもしていません。マニュアルよりユルいガイドラインという感覚でした。
K君の話を聞きながら、特に店の違いを感じたのは、作ったハンバーガーの管理です。マクドナルドはハンバーガーを作って、5分経過して売れない場合は、そのハンバーガーを廃棄すると言うのです。それを厳格に守っているのです。なんだか、もったいない気がします。しかし、いつでも新鮮であったかい商品をお客様に食べてもらうための配慮のようです。
一方、わたしがバイトしていたファストフード店は、作り置きでした。場所柄、天候に左右されるお店なので、雨が降ると客足が途絶えます。そんな日は朝に作ったハンバーガーを保温機に入れた状態で、何時間もそのまま置いておくことはザラでした。
日本とアメリカのマクドナルド
それから30年くらいして、アメリカの現地法人に駐在していたK君は日本に戻り、久々に酒を酌み交わす機会がありました。そのとき、彼は再びマクドナルドの話をしました。
アメリカのマックに行って思ったのは、日本のマックと比べると、行く店によって味が微妙に違うってことだね。日本だとどこでも味が一緒だけど、向こうは作る人によってちょっと味が変わるんだと思ったよ。

わたしは海外でマクドナルドを食べ比べするような機会が無いので、どのくらい店によって味が変わるかを知りません。
しかし、マニュアルに記載されていることを日本のマクドナルドは、アメリカよりも厳格に守って仕事をしていることは確かだと思います。
かってマクドナルドのハンバーガー大学の副学長を務めていた経営コンサルタントの鈴木健一さんは『マクドナルドが大切にしてきた「マニュアルを超える」31の方法』という本で次のように書いてます。
基準は定量化するのがポイントです。
・・・(中略)・・・また、基準を達成するには、しくみを考えることも大切です。
マクドナルドでは、できるだけしくみを考えて、仕事をシンプルにしています。
たとえば、「ビッグマック」のソース量が10グラムと決まっていたら、レバーを1回押すだけで、10グラムの量が出る容器を開発する。ボタンを押せばアイスが規定量出てくる機器を開発する。
・・・(中略)・・・このようなしくみ考えることにより、基準は実行しやすくなるのです。
〜マクドナルドが大切にしてきた「マニュアルを超える」31の方法(鈴木健一)より
多くの日本人は決められた仕事に対して、真面目に取り組んでいるんだと思います。また、仕事を省力化するためのしくみづくりは、日本のお家芸だと思います。
マニュアル化された仕事を実践する
マクドナルドに象徴されるマニュアル化された仕事をマックジョブと呼ぶことがあります。これは独創性が無く、機械的な動作を繰り返すだけの仕事を指すようです。
往々にしてマックジョブという言葉を使うとき、その業務内容を過小評価していると感じます。
マニュアル通りに仕事を実行すれば、未熟な人でも業務目標に早く到達できます。やるべきことを漏れなく忠実に実行できることは、組織にとってはよいことです。マニュアルは、業務の標準化をさせるだけでなく、リスクマネジメントの視点においても重要です。 そして仕事をする人にとっても、マニュアルの遂行により、仕事の達成感を感じることが出来ます。これは満足のできることだと思います。
マニュアル化された仕事を徹底して実践し、より省力化できるよう改善していくことは決して簡単ではありません。むしろ、それが出来ない組織は成長戦略が描けないと思います。
マックジョブはもっともっと評価されるべきだと思います。