4月19日、Apink の13回目のファンソング 「Wait Me There」がリリースされました。
ファンソングは歌手がファンへの感謝を込めたサービスを目的とした楽曲です。Wait Me There はリーダーのパクチョロンが作詞をしてます。
안녕 오늘은 어떤 하루를 보냈니
괜시리 난 기분이 좋은 걸 보면
우리 처음 만난 다가오 나 봐
こんにちは、今日はどんな一日を過ごしましたか
大丈夫、気分がいいのを見ると
最初の出会いに来てください。
Apinkは、デビューした 4月19日 を軸にコンスタントにファンソングを出してます。数多くのK-POPグループがありますが、これほどファンソングをリリースしているのは珍しいと思います。
- 2012 - April 19th
- 2014 - Good Morning Baby
- 2015 - PromiseU
- 2016 - The Wave
- 2016 - Cause You're My Star
- 2017 - Always
- 2018 - Miracle
- 2019 - Everybody Ready
- 2020 - Moment
- 2021 - Thank You
- 2022 - I Want You To Be Happy
- 2023 - Candy
- 2024 - Wait Me There
K-POPは新陳代謝が激しく、現在は第4世代の全盛期です。第5世代を迎えているともいわれます。
Apinkは第2世代です。第2世代というと、男性グループでは、東方神起がいるし、女性グループでは少女時代が代表的です。彼らは日本での知名度も高く、K-POPのレジェンドです。
ただ、東方神起も少女時代も、もうグループ活動はしてません。同窓会のようなカタチでメンバーが集結することはありますが、活動の軸はソロです。
Apinkは、レジェンド枠でありながら、ずっと現役でグループ活動を継続してます。
もちろん、ファンがついているからでしょう。
Apink の活動をみると、K-POPグループを見るというより、中小企業が持続的な成功をするのに必要な材料を与えているように感じてます。
毎年、4月19日にリリースされるファンソングは、典型です。
ファンは Apink が4月19日に新曲がリリースされることは分かってます。そのタイミングを楽しみにしてます。グループの所属企業は、大きな宣伝コストをかけなくても、ファンが勝手に楽曲にアクセスし、共有してくれます。
宣伝をしないので、大きな売上は見込めませんが、固定客を維持するためには、最適な方策です。
マーケティングコンサルタントの 安原 智樹 は、もはやブランドビジネス本の古典!?ともいえる「ブランディングの基本」という本で、「差積化」という概念を出してます。
「差積化」は小さな活動だったものが継続することで規模が大きくなったり、累積効果によって深みがでることです。
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差積というのはマーケティングよりも、「数学」でよく使われる言葉です。
定義: n 変数 x1, . . . , xn に関する多項式
Πi<j(xi-xj)
が差積です。変数が4個だとしたら、差積は以下の計算式で求められます。
∆(x1, x2, x3, x4)=(x1 − x2)(x1 − x3)(x1 − x4)(x2 − x3)(x2 − x4)(x3 − x4)
差積は交換式と呼ばれます。交換式はどの 2つの変数を交換しても式が −1 倍されるような多項式を指します。
差積の数学的な特性をブランディングに当てはめると、同じことを漫然と継続しても効果はあまり発揮されません。継続的な活動のなかにも、小さな改善を積み重ねることが重要です。2項の変数が同じなら差はゼロですので、差積もゼロになります。
Apinkの楽曲で書くなら、デビュー当初は清純さやかわいさがクローズアップされてました。いまはそのイメージを保ちながらも、年齢によって培われた安定感や、同世代に共感するメッセージを楽曲に盛り込んでます。
マーケティングでよく使われる「差別化」は、他者を意識します。他者と比較して自己のポジションを決める戦略です。いっぽうで「差積化」は、他者よりも自己の継続的な成長で成しえると戦略と読めます。
これはリソースの制約が大きな中小企業が採りうる戦略だと思います。