叡智の三猿

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街の色合いが華やかな銀座の歩行者天国

週末の銀座は歩行者天国です。

わたしは昨年の10月から銀座は働いているので、銀座の景色は見慣れてます。

ただ、車がひっきりなしに通る平日よりも、一層楽しい街の色合いをなしているようです。

広い通りにパラソルとテーブルや椅子が置かれているのもリゾートな雰囲気を醸し出してます。

銀座が歩行者天国を開始したのは、1970年のことです。

その当時のニュースは幼心にうっすらとした記憶があります。

歩行者天国は当時の社会問題との関わりが深かった感じがします。

車の利用が多くなったことで、光化学スモッグが発生しました。

眼に嫌な刺激を感じる人や呼吸困難を訴える人が続出し、深刻な公害問題になりました。

多くの家庭が車を所有することで、行きたい場所に手軽に早く移動が出来るようになりましたが、それによる負の側面が顕在化したのです。

いわば歩行者天国はモータリゼーションによるアンチテーゼとして始まったのです。

70年代と比べると光化学スモッグは激減しました。

これは、排気ガスを放出する際、触媒を使うようになった効果です。

自動車の排気ガスは、ロジウム(Rh)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)からなる三元触媒により、有害物質である窒素酸化物(NOx)や炭化水素(HC)を無害な窒素(N2)、二酸化炭素(CO2)、水(H2O)に変化させます。

三元触媒

三元触媒は光化学スモックの削減に大きく寄与しました。

ですので、いま開催されている銀座の歩行者天国には、車社会によるアンチテーゼという意味合いは薄れ、観光イベントとして定着してます。

街には外国人が溢れ、あちこちで写真を撮ってました。

いくつかの場所でマスメディアの取材も行われてました。

車というファストな手段に対するアンチテーゼという意味で、わたしが連想するのが2000年頃にムーブメントとなったスローライフです。

これはイタリアで始まった「スローフード運動」に起因してます。

これは、ファストフードで溢れた街に、「せめて食事のときは、スローな時間を楽しもう!」という意味合いが込められてます。

スロームーブメントは、地産地消やサステナビリティなライフスタイルとの相性がよく、日本でも2000年頃からオーガニックレストランがいろんなところでオープンしました。

いわば、スローフードはファストな食事に対するアンチテーゼです。

いまではあえて「スローフード」をうたわずとも、スローな時間を楽しめるレストランはすっかり定着してます。

「車というファストな手段に対する「歩行者天国」が、1970年代にはじまり、ファストフードに対するスローフードが2000年代にはじまる。」

ここに法則性があるとするなら、2030年代に新たなファストに対するアンチテーゼがありそうな予感です。

そのとき、ファストな対象は IT であることは明らかでしょう。

IT は日々、進化をつづけてます。わたしたちはより早く情報を獲得し、より早く情報を発信しようとしてます。

Googleは検索の機会を提供することで、わたしたちは「キーワード」を入力すれば、関連性の深いサイトを紹介してくれます。

ChatGPTは、Googleをよりファストに進化させてます。わたしたちは「質問」を入力すれば、流ちょうな言葉で「答え」を返してくれます。

2030年代になると、ITはさらなるファストなツールとなるでしょう。

ウェアラブルが定着すれば、スマホを持ち歩く必要がなくなるかもしれません。

衣服、眼鏡、イヤホン、腕時計、靴 などあらゆるモノがインターネットとつながり、わたしたちがそのとき、とるべき行動や、最適な会話をウェアラブルが引き出してくれる時代になる可能性が高いと思います。

たとえば、彼女がアパレル店の試着で赤い服と、白い服を交互に着てーー

どっちが似合う?

と、彼氏に聞いたとき、彼氏のバイタル情報や目の動き、彼女の言葉をウェアラブルが察知し、AIによってあるべき回答をスマートグラス伝えます。

どっちも素敵だね、迷うよね。でも、白の方が清潔感があっていいかもね!

2030年代のITは、いまよりもファストに、適切なコミニュケーションを実現させるでしょう。

でも、どこか刹那的です。

そんな刹那に対するアンチテーゼが起きそうな妄想を抱きました。

銀座のぶらぶらでの疲れを癒す「観音山フルーツパーラー」に入りました。ここは、東銀座にある和歌山県産の果物を使ったお店です。

3月なのに結構、寒い日が続いてたのですが、ようやく春を感じる空気になりました。


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