叡智の三猿

〜森羅万象を情報セキュリティで捉える

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総論賛成、各論反対

レジ袋が有料化になって2年近くがたとうとしています。有料化になった当初はAmazonで良さそうなデザインのエコバッグをリサーチして楽しんでいましたが、いまはスーパーやコンビニで買い物をする際にエコバッグを持参することはあまりありません。

ですので、食材などの買い物ついでに不本意ながら数円のレジ袋を追加購入しています。

レジ袋が有料化される話を聞いた時から、わたしはあまりその取り組みを良いとは感じていませんでした。環境に配慮する意識が低いと言われれば、それまでなのですが、レジ袋は生活のなかで無駄なごみになるわけでなく、生ごみを入れる袋として重宝します。スーパーやコンビニでもらったレジ袋はストックし、毎日発生する生ごみを入れるために使います。

エコバッグを持参して買い物をすると、レジ袋が減るので、生ごみを入れるためのビニール袋を別に購入しなくてはいけません。これって、使用されるカーボンのプラスマイナスゼロなのでは!?という意識が当初からあり、いまでもその意識は変わっていません。

レジ袋の有料化を進めてきた政府のガイドラインには、次のように制度の背景が書かれています。

プラスチックは短期間で経済社会に浸透し、我々の生活に利便性と恩恵をもたらしてきた。一方で、資源・廃棄物制約や海洋ごみ問題、地球温暖化といった、生活環境や国民経済を脅かす地球規模の課題が一層深刻さを増しており、これらに対応しながらプラスチック資源をより有効に活用する必要が高まっている。こうした背景を踏まえて 2019 年5月に政府は「プラスチック資源循環戦略」を制定し、その重点戦略の1つとしてリデュース等の徹底を位置づけ、その取組の一環として「レジ袋有料化義務化(無料配布禁止等)」を通じて消費者のライフスタイル変革を促すこととした。~「プラスチック製買物袋有料化実施ガイドライン/令和元年12月:経済産業省、環境省」より

ポイントとなるのは赤字部分で、レジ袋の有料化制度のいちばんの目的は、レジ袋削減による直接的なカーボンを減らす効果というよりも、消費者の3R(特にリデュース)が重要であるという意識を高め、ライフスタイルを見直すきっかけであることが分かります。

果たしてレジ袋の有料化により消費者の環境意識はどの程度高まったのでしょうか!?

わが家は、コロナ禍でテレワーク中心の生活になったことで、家庭の生ごみが必然的に増えました。そのため、以前にも増してレジ袋を使うことが多くなり、足りない分は、ビニール袋の追加購入しているので、レジ袋有料化制度によって、環境意識が高まることはありませんでした。

3Rの取り組みが重要であることは理解しているつもりです。しかし、総論賛成・各論反対に陥っているかもしれません。

話はかわり、総論賛成・各論反対のスタンスは、「情報セキュリティ」についても当てはまる部分があります。

総論として「組織として情報セキュリティ対策が重要」ということについて、100%その通りだと思うのですが、各論になると疑問を感じることもあります。

その最たる例が「定期的なパスワード変更」です。

わたしは仕事で複数のアプリケーションを使っていますが、そのなかには3ヵ月に一度くらいの割合でパスワード変更を促すシステムが複数あります。

日々の仕事で使うシステムにログインしたら、いきなりパスワード変更を要求され、それをみると気分が滅入るのです。そのようなシステムはパスワードの世代管理をしていることがほとんどなので、以前使ったパスワードを再利用しようとすると、拒否されます。そうすると、いままで使ったことのない、パスワードを生成しなければなりません。定期的に変わるパスワードを記憶するのは不可能なので、メモ帳とかにパスワードを記録します。

そもそもパスワードによる認証方式は人の記憶に依存します。ちなみに、認証する要素としては、記憶のほか、所持と属性があります。この3つを「認証の3要素」と呼びます。

要 素 認証方式の例
記 憶 パスワード認証/暗証番号(PINコード)等
所 持 端末認証/ICカード認証 等
属 性 生体認証(指紋認証/顔認証 等)

記憶に依存するべきパスワードをメモ帳に書いたら、それは記憶ではなく記録です。パスワードを記録すること自体がセキュリティ上、問題だと思うのです。

また、仕事はできるだけ効率的にこなしたいです。「よし、いまから仕事するぞ!」と、仕事モードにスイッチが入った途端、パスワード変更を要求されると、モードが低下し、新たなパスワードを生成し、記録する数分間が非常に無駄な時間に思えてくるのです。