叡智の三猿

〜森羅万象を情報セキュリティで捉える

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バイオマス素材のレジ袋

マクドナルドでテイクアウトするとレジ袋は無料です。

それはなんでだろう!?と、思い調べてみました。

マクドナルドのレジ袋(下図)を見ると バイオマスと書いたマークがあります。

バイオマスマーク

経済産業省のホームページには有料化の対象外となる買物袋について、以下の記載があります。

  1. プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のもの
  2. 海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの
  3. バイオマス素材の配合率が25%以上のもの

マクドナルドで使用されているレジ袋は3に該当するため、有料化の対象外だと分かります。バイオマス(動植物に由来する有機物である資源)を利用して製造された素材の重量のうち、25%以上をバイオマスが占めるものについては、カーボンニュートラルな素材とされ、地球温暖化対策に寄与することから有料化の対象外となっているようです。

ただ「バイオマス素材の配合率が25%以上のレジ袋=無料配布」ということではありません。そもそも、政府の推奨はレジ袋の使用を減らすことなので、バイオマス素材であってもレジ袋の無料配布を続けた場合、環境への負荷を減らすことが難しいという判断から有料でレジ袋を販売してもOKです。

そして、レジ袋が有料化の対象外であることを消費者に分かるようにするため、バイオマス素材の配合率が 25%以上であることが第三者により認定されたことを示すマーク(バイオマスマーク)の表示が必要です。日本バイオプラスチック協会と一般社団法人日本有機資源協会がバイオマスプラスチックの認定を行っています。

日本有機資源協会のホームページを覗くと、バイオマス素材として認定された商品を検索することができました。マクドナルドでもらったレジ袋の認定番号を入力すると次の画面が表示されました。

バイオマス素材の認定確認画面

今回分かったのはバイオマス素材のレジ袋といいつつも、無料の条件がバイオマスの配合量が100%である必要はないということです。法令上はバイオマスの配合量が25%であれば、有料化の対象外となり、マクドナルドで使っているレジ袋は50%なので、もちろん有料化の対象外ということです。

環境に配慮した商品であるとを第三者によって認証する仕組みは、情報セキュリティ対策とよく似ていると思いました。

情報セキュリティでは会社(組織)が、顧客情報や機密情報を適正に管理しているしていることを第三者に認証してもらい、そのことを外部に公開する仕組みがあります。

有名なのは、ISMS(ISO27001)とプライバシーマークです。

ISMS情報セキュリティマネジメントシステム)は、情報セキュリティに関する国際規格のひとつであり、その取り組みを指します。そこで「ISMS適合性評価制度」という制度があります。こちらを取得するには、第三者機関に申請を行い審査を受け、審査条件を満たすことで認証を受けられます。

プライバシーマーク(Pマーク)制度は、日本産業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を評価して、その旨を示すプライバシーマークを付与し、事業活動に関してプライバシーマークの使用を認める制度です。

これらの認証制度を取得すると、自社のホームページに取得したことを示すロゴを掲載できます。この認証制度があれば、その会社は情報セキュリティへの取り組み、個人情報についての適切な保護を実施していることが分かります。

環境問題の対策と情報セキュリティの対策は、実施する内容はまったく異なるのですが、その思想は類似していると思いました。

物質文明の発展や高度情報化社会の到来は、わたしたちの生活を便利にしました。しかし、それで生じたのが環境問題であり、情報セキュリティへの脅威です。いわば、環境問題と情報セキュリティへの脅威に共通するのは、ともに便利さとの引き換えに生じた負の産物ということです。

こうした負の産物に対して、事業者が適正に対応していることを客観的に認証するのが第三者認証の仕組みです。

ちなみに、バイオマスマークの使用期間は原則2年ですが、期限を迎えても自動更新されます。それに対して情報セキュリティの第三者認証は更新にあたって、再審査があります。ISMSだと3年、プライバシーマークは2年です。この違いは、環境に配慮していることを認証するのは、商品に対してですが、情報セキュリティに配慮していることを認証するのは、サービスに対してだからです。