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AIを使った内定辞退率予測

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個人情報とは

「個人情報」とは、氏名、住所、性別、生年月日、電話番号、勤務先など個人を識別できる情報や、ほかの情報と組み合わせることで個人を特定できる情報をいいます。

【個人情報の例】

  • 基本情報:氏名、住所、性別、生年月日、国籍
  • 家族情報:親族、婚姻歴、家庭状況、居住地
  • 社会情報:職業、学歴、資格、賞罰、成績
  • 経済情報:資産、借金、納税

会社は、わたし達の「個人情報」を適切に保護するよう心がけています。しかし、それはわたし達の利益の為に行なっている訳ではありません。

「個人情報」は、ビジネスシーンのたくさんの場面で、業務の効率化やサービスの向上に寄与します。会社は、この有益で金になる「個人情報」を保護するより、積極的に活用したいと思っています。

そこで「個人情報」の漏洩を恐れるわたし達、消費者と、「個人情報」を積極的に活用したいと考える会社のバランスをとるべく、2003年5月に個人情報保護法が成立しました。

個人情報保護法」は、個人情報を取り扱う事業者(個人情報取扱事業者)に対する「個人情報の有効活用」と「個人情報の保護」を目的とします。要は「適切に個人情報を取り扱うようにして下さい」という法律です。

会社は「個人情報保護法」のしばりの中で、個人情報を活用します。

が、しかし、しばしば会社は行き過ぎた行為をします。その度、法律により行政指導を受けます。

内定辞退率予測

個人情報保護法」に違反した最近の事例として、大きな問題となったのが、求職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアです。リクルートキャリアは安全管理措置を適切に講じず、求職者の個人情報を第三者に提供する際に必要な同意を得ずに行いました。
www.asahi.com
リクナビ」は過去の求職者の動向データから、AIを使って新たな求職者の内定辞退率を予測しました。それを採用をする会社に販売しました。内定辞退率の予測情報は、企業の選考作業にあたり、活用されたといわれています。

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「内定辞退率」販売問題
求職者は職業選択の自由があります。ですので、内定を辞退することは全然問題ではありません。しかし、その行為をこともあろうに、求職情報サイトを運営する会社が、採用する会社に販売するのはかなり悪質だと思います。

この問題を受け個人情報保護委員会は、リクルートキャリアに対して次の勧告を行いました。

勧告事項

  1. 個人データを取り扱う際に、適正に個人の権利利益を保護するよう、組織体制を見直し、経営陣をはじめとして全社的に意識改革を行う等、必要な措置をとること
  2. 今後検討する新サービスにおいても、法に則り適正に個人データを取り扱うよう検討、設計、運用を行うこと
  3. 令和元年9月30日までに措置を実施し、具体的な措置の内容を同日までに報告すること
    〜「個人情報の保護に関する法律第 42 条第1項の規定に基づく勧告等について」より

この問題により、リクルートキャリアは、2019年11月にJIPDEC(一般財団法人日本情報経済社会推進協会)よりプライバシーマーク(Pマーク)の付与の一時停止を受けました。
www.recruit.co.jp

クッキー(Cookie)の利用に同意

個人情報保護委員会」は、2020年に個人情報保護法の改正に取り組みました。

今回の改正で注目されるのは、ブラウザのログイン情報をためた「クッキー(Cookie)」データについて、第三者に提供すると個人が特定できる場合は、利用者の同意を確認することを企業に義務付けるようにしたことです。

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Cookieの利用に同意
今後2年以内に施行される「改正・個人情報保護法」により、わたし達は会社に対して、個人情報の利用や第三者への提供の停止を求めたり、消去を求めたりすることが容易になるでしょう。

わたし達は個人情報を会社に預けることの危険性を認識しつつ、インターネットのサービスを上手く利用することが大切だと思います。