叡智の三猿

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不満と不安を超えて―韓国ドラマ「イ・ドゥナ!」の描く成長と絆

新年初の韓国ドラマは、Netflix で配信されている「イ・ドゥナ!」でした。

元K-POPアイドルの イ・ドゥナ(ペ・スジ)と、大学生ウォンジュン(ヤン・セジョン)が、シェアハウスで出会い、絆を深めながら恋に落ち、成長するお話です。

アイドルが一般の学生と付き合うのは、そうたやすいことではありません。若くして社会にもまれた イ・ドゥナ と、ピュアに育った ウォンジュン のギャップが興味をそそりました。

ドラマの前半では、情緒不安定で自分勝手なイ・ドゥナにイライラしていたのですが、後半では、ドゥナに振り回されながら、くよくよと悩み続ける ウォンジュン にイラっとしてきました(笑)。

最終回はすれ違いのシーンで、ハッピーエンドなのかは、謎めいていますが、そこが日本という場所だったことに意味を感じました。

ドラマのなかでふたりが抱えていた不満や不安が、時間の経過と共に解消されているように見えたのが良かったです。

なんといっても、ペ・スジは 元 missA のアイドルであり、グループの解散後はソロとして大活躍してます。このドラマは現実のスジの生き方と重ね合わせしてみえてしまいます。

スジに関しては、前作の「アンナ」でも感じたのですが、それまではどちらかというと、元気で明るいキャラを演じていたイメージだったのが、一転して暗く、不健康な役柄に挑戦しているように見えます。

このドラマでは、終始 タバコをスパスパ吸ってるシーンが満載です。かって「国民の初恋」と呼ばれた清楚なアイドルのスジ、もう見られないのでしょうか!?

さて、「イ・ドゥナ!」では、ネット上での誹謗中傷や、盗撮など、人気アイドルであれば、直面するであろう課題を扱ってます。

アイドルであっても、普通のいち個人です。個人攻撃をすることで、精神的苦痛を受けるのは当然だと思うし、それが原因で精神的に病んでしまったり、最悪の場合は死に至るような事件もあります。

インターネットは便利な情報発信の手段です。だが、その匿名性を利用することで、発信者の正体を知らせずに自分勝手な意見で他人を攻撃することが出来てしまいます。それが、誹謗中傷をまん延させる原因です。

もちろん、匿名であっても発信内容が、名誉毀損や誹謗中傷などに該当する場合、「プロバイダ責任制限法」に基づいた手続きにより身元が特定される可能性はあります。

「プロバイダ責任制限法」は、ネットでの誹謗中傷により損害を受けた際、プロバイダに対してその投稿を行った者を特定するための請求について定めた法律です。

かっての法律内容だと、手続きが煩雑で発信者の特定までに時間がかかることが問題でした。しかし、ネット上の誹謗中傷問題が深刻さを増すなか、2022年に法律が改正され、発信者を特定するまでの手続きが簡略化されました。

しかし、日々 X(Twitter) を見たりしても、「これって、誹謗中傷じゃない?」って、思うような投稿は、よく見ます。

法が改正されても、ネット上での誹謗中傷が減る効果は、ほとんど発揮されてないように思います。

そもそも、投稿する人は自らの投稿を誹謗中傷だと思って発信していないんだと思います。

投稿された情報が誹謗中傷にあたるかを判断するのは、発信した側ではありません。受けた側です。人と人とで意見の食い違いがあれば、論戦になるのは当たり前のことだと思うのですが、発信する側は、自分の意見を正義だと思っても、それを受ける側が人権を侵害していると思うかもしれません。

建設的な議論と誹謗中傷は分けて考えるべきなのですが、その境界はあいまいですので、信号の赤と青のような区別は難しいと思うのです。

結局のところ、ネット上での誹謗中傷という問題は、法によって一律に解決できる問題ではなく、ケースバイケースで判断をし、長い時間をかけて、ネット環境がより健全になるのを待つしかないのかもしれません。

イ・ドゥナ!で起きている成功したアイドルに対する誹謗中傷の場合、投稿する側にある精神の根底は、「妬み」だと思います。妬みから相手を攻撃することで、自分の抱える不安や不満を解消しようとしているように見えます。

相手に「妬み」を感じるのは、自己肯定感の低さだと思います。自己肯定感が低いと、他人の成功を見て、自分の欠点を感じ、他人と自分を比較して、自分の立場が低いと感じては、妬みを相手に覚えます。

もちろん「妬み」は、自己肯定感が高くても、人間であれば誰しもが持っている感情です。ただ、自己肯定感が高い人は「妬み」を感じても、それを自らの成長の肥やしにしていると思います。

わたしは、自分が「妬み」を感じる要因となるような人間とは、あまり関わらない方がいいと思います。

他人と比較して「妬む」より、自分の興味や情熱に焦点を当てた方がいいと思うし、小さくても目標を持った方が、人生を楽しく生きられそうです。