秋はフェスティバルが多い季節です。気候が穏やかで過ごしやすく、屋外でのイベントに最適なこと、そして収穫の時期ということもあって、飲み食い関連のお祭りが盛り上がるんだと思います。
先日、多摩川沿いにある競輪場で、音楽、パン、アンティークが一堂に会するフェスティバルが開催されるということで、行ってきました。
残暑は残るものの比較的過ごしやすく、フェスティバル日和の１日でした。
会場を巡ると、焼きたてのパンがいくつものブースに並べられ、クロワッサン、カンパーニュ、メロンパン・・・目移りします。
しかしそこは競争の世界です。行列のできるお店もあれば、人が横目で通り過ぎるお店もあります。あるブースは早々に完売して「ありがとうございました！」とボードに書いて店じまい。別のブースでは「今から全て１個２００円！」と叩き売りをしていました。完売したお店は嬉しいでしょう。でも、このイベントの集客力を考えたら、もっと仕込んでおけば良かったと、悔やんでいるかもしれません。
今日が晴れて爽やかだったから大勢の客が来ましたが、雨だったり暑すぎたりしたら人は減るはずです。フェスティバルの来客予測は難しいと思います。
普段のパン屋さんなら毎日の来客データがあるので比較的、売上予測がしやすいかもしれません。でも、イベント出店は天候次第、会場次第です。毎日仕込んで焼き、売れ残ったら廃棄という日々を繰り返すパン屋さん。堅実な商売というイメージがありますが、競合も多く大変そうです。
ランチは、いま人気の高いベーグルバーガーにしました。キッチンカーの前には行列ができていました。ようやく順番が来て注文。支払いの際にＱＲコードが見えます。いまは、どのお店もスマホ決済ができるようになっています。
しかし私は基本現金で支払います。セキュリティリスクが嫌だからです。ＱＲコードを使った決済のリスクで、よくあるのは、屋外イベントで偽のＱＲコードを本物に上から貼り付けて、個人情報やクレジットカード情報を不正に取得したり、マルウェアに感染させたりする詐欺です。スマホでＱＲコードを読み込んだつもりが、実は犯人の口座に送金していたという詐欺です（クイッシング）。
ＱＲコードが貼り紙やシールになっている場合は特に注意が必要で、店員さんに確認するのが一番確実です。
わたしは、ベーグルバーガーを手に、エアコンの効いたメインスタンドへ移動しました。お昼時、外は結構暑かったので、この涼しさがありがたかったです。もっちりとしたベーグルに、ジューシーなパティとシャキシャキの野菜。頬張って美味しい！
ランチしてから、再び屋外に移動しました。本当に晴れて爽やか！屋外イベントにとって、この天気は何よりだと思います。
ステージでは「天々高々」というユニットが演奏してました。ＭＣが働く人の日常の話で会場を笑わせ、ピアノ＆ボーカルの透き通るような歌声が秋空に響きました。
せっかくのライブ。どのバンドも自分たちの宣伝をしたいでしょう。一回のライブで多くの目に留まりたいと願っているでしょう。今日のように天候に恵まれて集客があれば、それだけ多くの人に届きます。
ライブの主催者は、収益の算段が難しそうです。会場費、ギャラ、音響スタッフの人件費・・・ライブは初期投資が大きい上に、動員数が読めなければ赤字リスクがあります。ＫＰＯＰアイドルでは、来日情報が出てチケットの先行販売後に、ライブが「暫定的延期」という、実質の中止がよくあります。おそらく、先行販売の状況を見定め開催を決定してるんだと思います。
音楽に癒されたあとは、アンティークエリアへ向かいました。
懐かしい銀塩カメラ、古着、海外製の古い食器類・・・一つ一つが歴史を刻んでます。
品物を眺めていると、たまに突風が吹きます。そのたびに店の人が慌てて商品を手で押さえていました。そりゃそうです。一品物で何千円、何万円とする品物が風で倒れて破損したら、失うものが大きいです。パンなら予備があるかもしれませんが、アンティークに予備はありません。店の人の緊張感が伝わってきます。
イギリス兵隊の形をしたピアノのホコリ取りがありました。赤い制服に黒い帽子、直立不動の姿勢。子供の頃、ピアノのある家に、よく置いてあったのを見ました。それを見て、ピアノがあればいいなとも思いました。そういえば、あのホコリ取りはいつの間にか見なくなりました。みんなの家から消えていったのは、いつ頃だったのでしょうか！？
アンティーク商売は、仕入れた品物が売れるまで資金が寝てしまいます。バイヤーは真贋を見極める目利き力も必要でしょう。しかし、希少な一点物を見つければ仕入れ値の何倍、何十倍にもなります。在庫が腐らないどころか、時間が経つほど価値が上がるものもあります。ハイリスク・ハイリターンな商売です。
パンは原材料から価格を決定します。音楽ライブは経費の積み上げからです。そして、アンティークは市場の相場と希少性から決まります。ひとつのフェスティバルでも、商品それぞれに価格の決め方の特徴があると思った１日でした。
ずっとサラリーマンをやってるわたしは、どの商売も別世界です。もし、あえて選ぶとしたら、どんな商売に興味があるんだろう！？
