叡智の三猿

〜森羅万象を「情報セキュリティ」で語る

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あやしい木のおくりもの

「これ、とても役立つよ!」そう言われて贈られたプレゼントに喜んでました。しかし、プレゼントの中に、実はこっそり悪いソフトが入ってました。

実は、攻撃者が相手の機器から機密情報を盗むためにしかけた作戦だったのです。この作戦の名前は何でしょう?

ウイルス作戦
トロイの木馬
木馬のワーム





答え:イ
古代ギリシャの詩人、ホメロスの叙事詩「イリアス」の「トロイア戦争」には、難攻不落といわれた城塞都市「トロイア」を陥落させた戦術が紹介されてます。トロイア戦争は、ギリシャとトロイア王国との戦いです。

この戦争は長期に渡り膠着状態が続きます。

そこで戦争の終結として使われたのが「トロイの木馬」です。 トロイア陥落のためには、正門を排除することが必要不可欠でした。 そこで、ギリシャの知将オデュッセウスは、トロイア王国で神聖な動物として崇められている馬を木で作りました。木馬の中には、少数の兵士を潜ませました。木馬は巨大で、門を壊さないと入れないような大きさでした。

ギリシャ軍は、木馬を残して撤退します。

協議のすえ、戦争に勝ったと確信したトロイアの兵士たちは、門を壊し、木馬を城内に引き入れます。そして、勝利を祝う宴会を行いました。深夜になり、木馬から出た兵士がトロイア軍に襲いかかります。トロイアはオデュッセウスの策略にかかり、一夜で陥落したとされてます。

伝説として語られた「トロイの木馬」ですが、現代ではマルウェアの一種として、有名な用語になってます。マルウェアである「トロイの木馬」の特徴は、一見無害で便利なソフトウェアを装い、ユーザーのコンピュータに侵入します。しかし、裏で悪意のある行動を行い、バックドアを設置したりします。

バックドアというのは、住民が気づかないで、こっそりと作られた裏口みたいなもの。裏口を経由することで、攻撃者にユーザーが操作するコマンドの情報を与えたり、攻撃者やプログラムがシステムに不正アクセスできるようになります。その結果、ユーザーのシステムで管理している機密情報や個人情報が盗まれることにつながります。

なお「トロイの木馬」以外のマルウェアとして、よく知られるのが、回答候補として書いた「ウイルス」と「ワーム」です。ウイルスは宿主となるプログラムに感染します。そこから自己増殖することで、他のファイルやプログラムに広がる特徴があります。一方、「トロイの木馬」は、自己増殖はしません。また、「ワーム」は「ウイルス」と同じく、自己増殖しますが、宿主となるプログラムは必要とせず単体で存在します。