叡智の三猿

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下北沢の路地裏の小さなビルの2階にこじんまりと佇む小さな喫茶店

連休の最後(昨日)は、下北沢にある「喫茶 一房」に行きました。

このお店、駅(南西口)から非常に近いのですが、路地裏の小さなビルの2階にこじんまりと佇む小さな喫茶店です。看板も目立ちません。駅近でもグーグルマップが無ければ、たどり着くことが困難だと思います。

人気店らしいので11時の開店時間にあわせて来たのですが既に満席でした。40分くらい待ちました。

店内は5席のカウンターと、ひとつのテーブルしかありません。あっという間に満員になるのは、致し方ありません。感じの良さそうなマスタがひとりでお店を切り盛りしているようです。

この喫茶店のウリはフルーツサンドです。フルーツは季節により変わります。

この日は「栗のモンブラン風」と「シャインマスカット×ナガノパープル」でした。それぞれ Harf で注文しました。

双方のサンドは異なるクリームが添えられてました。「栗のモンブラン風」は名前のとおり、モンブラン的なクリームでした。「シャインマスカット×ナガノパープル」は、クリームチーズでした。

ジャズの流れるお店は上品な雰囲気です。もちろん、味も満足です。季節を変えてまた行きたいと思いました。

このお店を知るきっかけになったのは、あるスイーツ好きな人によるインスタの投稿を見たことです。

消費者のインスタ投稿に共感した別の消費者が来店し、その消費者もインスタに投稿します。こうしたSNSの投稿を通じて、お店に対する消費者の信頼の輪が広がっていく顧客獲得のマーケティングは、SIPSモデルとして紹介されます 。

SIPSモデル

フルーツサンドはインスタ映えする商品だと思います。目立たない場所にある、個人経営のお店でも、こういうインスタ映えする強力な商品があると、消費者のSNSによる口コミ効果が得られる典型的な例だと思いました。

SIPSモデルがいいのは、基本、宣伝費がほとんどかからないことです。予算の限られた個人店にとって、理想的な集客モデルだと思います。お店の提供するサービスに満足した顧客が、他の人に自然にお店の素敵な情報を共有してくれます。店にとって、持続的な宣伝効果を得ることが期待できます。


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いっぽう、いち消費者として、SIPSによる口コミの投稿をそのまま信頼するのは、リスクもあります。

よく問題になるのは、口コミに「インフルエンサー」が関与するケースです。

インフルエンサーは、SNSやブログを通じて情報発信を行うことで、消費者の行動に大きな影響を与える人物の総称です。

インフルエンサーは、広告主から商品をPRしてもらうよう依頼を受けます。インフルエンサーは、SNS上で商品の宣伝を投稿することで、報酬を得ます。多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーは、投稿の単価も高くなるとされます。

インフルエンサーを目指す人は、自らのフォロワーを上げることに熱心に取り組んでます。

ただ、インフルエンサーによる投稿は、それが本当に個人の意見なのか、対価を得るための仕組まれた広告なのかの判別が難しいことがあります。実際は広告なのに、あたかもいち消費者としての意見であるかのように見せかけた投稿もありえます。

インフルエンサーによるそのような投稿は、ステルスマーケティングと表裏一体といえます。

ステルスマーケティングは「情報の完全性」を損ねます。

情報の完全性(integrity)は、発信された情報が正確で信頼できること、改ざんや誤りがないことを意味します。これは、機密性や可用性と並ぶ「情報セキュリティの3要素(CIA)」のひとつです。

情報セキュリティのCIA(3要素)

宣伝のため、インフルエンサーを活用する企業も多い昨今です。そのなかでも、消費者に対する誠意を持続することが大切だと思います。