昨年の10月からプロジェクトの都合上、3年半続いたテレワークから電車通勤に変わりました。もう、8ヶ月がたとうとしてます。
毎朝、身動き取れないほど詰め込まれた東横線の中で、バランスを保つのが大変だな~と思いながら、ドアに掲げられた広告に目がいきます。
日能研の「シカクいアタマをマルくする~未来のチカラ~」
「ナッジ理論」に関係したユニークな問題だったので、見入ってしまいました。
(問)次の会話文を読み、思わずキャップ投票をしたくなるような二択の質問を考え答えなさい。なお、会話文中の条件を踏まえること。また、「あなたは猫派?犬派?」以外の質問を考えること。
【会話文】
Aさん:今日のSS(道徳)の授業では、「ナッジ理論」について学んだね。
Bさん:強制や罰則なしに「ついやってしまう」行動を活用する考えのことだね。
Aさん:そうそう。そこで思ったんだけど、校内のペットボトル回収箱にはキャップが分別されないまま捨てられているのをよく見るから、キャップの分別を促すことにナッジ理論を使えないかと思って。
Bさん:それは面白い考えだね。そういえばこの前旅行に行ったときに寄った高速道路のパーキングエリアに、「あなたは猫派?犬派?」って書いてあるペットボトルキャップのごみ箱があったなぁ。
Aさん:思わず投票したくなるような質問を書いて、ごみ箱を投票箱にすることで分別を促す、というわけね。面白そうだから校内でもやってみない?
Bさん:いいね。でもどんな質問だとみんな投票したくなるんだろう。
Aさん:あまり選択肢が多くても迷ってしまうから二択がいいよね。あと、学校には様々な方が来校されるから多くの方が投票しやすいものがよくて、アニメや漫画みたいな知っている人しかわからないようなものはダメだよね。
Bさん:正解があるような計算問題やクイズも適切ではないよね。よし、色々考えてみよう!
~「引用:日能研ウェブサイト」
ナッジ理論は、行動経済学で広く使用される概念です。ナッジとは「そっと後押しする」という意味です。
日能研ウェブサイトに掲載された問題は、キャップの分別回収を促進するために「あなたは猫派?犬派?」って書いてあるペットボトルキャップのごみ箱を設置した例をあげてます。
これは、かなり優れたアイデアに見えます。
分別ルールの違反については、自治体の条例で「過料」などの罰則を科すケースが多いのですが、懲罰に頼るよりも、気分よく分別を促せます。
ナッジ理論を活用することで、自分の選択に影響を考える情報に対して、意識することなく行動します。それによって、人間や社会がよりよい方向に向かうことが期待されます。
たとえば、外食メニューの写真の下に「カロリー」が、記載されている場合が多いと思います。ダイエットをしたい、健康でありたいと、願っている人にとっては、メニューを選択する際に、後押しとなる情報です。
コンビニのレジ横にある寄付金の箱も、ナッシュ理論の活用だと思います。財布に少ないつり銭を入れたくない客は、何気なく、つり銭を寄付します。いまはキャッシュレスが進んだので、寄付金の箱も空っぽで、効果を発揮しているとは思えないですが・・・。
テレワークをしていた頃、プロジェクトリーダーとして1on1を実施してました。
プロジェクトリーダーは、メンバーに対して明確なビジョンを提示する必要があります。個々のメンバーが共通のビジョンに向かって働けるように導きます。
WBSに従ってタスクに対するメンバーの割り当てを行います。リーダーは、各メンバーが自分の役割を理解し、責任を果たせるようサポートする必要があります。
WBS(Work Breakdown Structure)とは
プロジェクトの目標達成に必要なタスクをトップダウンで分解し、階層構造で表した図です。WBSを作成することで、プロジェクトに必要なタスクが網羅的に洗い出され、スコープが明確になります。
- プロジェクトをタスクに分解し階層構造にする。
- 各タスクに必要な成果物を定義する。
- 各タスクの前後関係を明記する。
- 各タスクのスケジュール、担当者、工数を割り当てる。
- 予定と実績の進捗を管理する。
コロナ禍、クラウドサービスによるWBSツールがかなり普及しました。
わたしが参画していたプロジェクトでは、Trelloというツールを使ってました。タスクをTrello上に作り、メンバーを割り当てました。毎朝のプロジェクトミーティングで、進捗管理をしました。
1on1もプロジェクト活動の一環として行ってました。1on1は日々のプロジェクトミーティングとは別に、2週間に1度くらいのペースで開催しました。
1on1は、リーダーとメンバーが定期的に行う1対1の面談です。1on1は人事評価のために行う「考課(後)面談」や、プロジェクトの進捗管理とは異なります。あくまで「メンバーのための時間」です。1on1を通じて、メンバーは職場環境や人間関係で不安に感じていること、プライベートで気になることを含め、好きなことを話します。一回の面談時間は30分程度です。リーダーはメンバーの精神的なサポートを行います。
日能研の広告を見ながら、1on1はナッジ理論に基づくミーティングに近いと思いました。
いまは、テレワークのプロジェクトも少なくなったためなのでしょうか!?
1on1ミーティングという、言葉自体、あまり聞かなくなりました。
本来はテレワークか否かに関わらず、1on1を実施することが必要なんだろうと思います。
その方がプロジェクトをより良い方向に導けるでしょう。