叡智の三猿

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「賢い医師生活」から学ぶコミュニケーションの大切さ

「いままで観た韓国ドラマで、何がいちばん良かったんだろう?」

と、他人からみたらどうでもいい「自分のなかでのランキング」を考えるのが好きな性格です。

もちろん、韓国ドラマに限ったことでなく、映画でも本でもアイドルでも音楽でも同じくランキングをつけたがります。

ただ、メディアが公開しているさまざまなランキングにはあまり関心がありません。あくまで自分のなかでの理想を考え、その基準にそったものを上位にする脳の構造です。

韓国ドラマにも当然ながら駄作もあります。ただ、なんといっても作品数が多いので、面白いと感じたドラマをあげたらキリがなく、直感での甲乙はつけられません。

韓国ドラマを紹介する YouTuber の動画もよく見ます。

そういう人たちが韓国ドラマの特徴としてよくあげるのは -

  • 非現実的な出来事(他人と入れ替わる etc)
  • ジェットコースターのような展開
  • イケメンパラダイス!
  • 復讐、不倫・・ドロドロの展開
  • 交通事故・記憶喪失

といった演出です。

確かにその通りなのですが、もともと韓国ドラマに関心がない人は、こうした過剰気味な演出が好きでないといいます。

韓国ドラマって、非現実的でコテコテしているよね~

韓国ドラマの魅力を「過剰な演出」と、定義してしまうと、そこに共感しない人は、素通りをしてしまいます。

それは、もったいない と感じます。

だから、わたしのなかでは「ドラマにおける過剰な演出」は、魅力のひとつではあるものの、本質ではないと思ってます。

これは、昨年大ヒットした「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」や、今年話題になってる「イルタ・スキャンダル -恋は特訓コースで-」を観たときに、改めて感じたのですが、韓国ドラマの良さは、ストーリーそのもの(=脚本)だと思います。

よい脚本は、人物設定が丁寧に書かれています。登場人物が、どのような背景を背負っているか、その人の性格や思考性が、会話や行動を通じて観るものに伝わってきます。

韓国ドラマは、「はじまりの展開が面白くない」と感じることが、多いのですが、これは登場人物の人物設定を観るものに時間をかけて伝えているからです。

そういう視点で、もっとも良い韓国ドラマを考えていくと、いまのところ、わたしのなかでのナンバーワンは、「賢い医師生活」かなと思います。

このドラマ、現時点ではシーズン2までが製作され、Netflix で観ることが出来ます。

ソウル大学医学部を卒業した同期5人が、ユルジェ病院で中堅の医師と働く医療ドラマです。

「賢い医師生活」は、前述したような「過剰な演出」をとことん排除しています。5人の医師は、皆、診療科目は違いますが、40歳前後の中堅として安定した技術を持っています。ただ、医療ドラマによくある超能力的な医師は、いません。手術によって救った命と、救えなかった命が、日常のなかで交差します。

また、超・イケメンもいません(5人のうち、ひとりは女性ですが、特段の美女ではありません)!

さらに、医療ドラマにありがちな、汚職、腐敗した権力構造も全くありません。病院はあくまで病気を治す施設として存在し、医師の思考は患者の命を救うことに集中しています。

5人の同期はバンドの絆で結ばれています。そのため、ドラマのなかでは、数多くのOSTが披露されます。その歌も特段な歌唱力や演奏力を披露するわけではありません。素人ぽさが妙に心地よく響きます(わたしは「アロハ」という曲がいちばん気に入りました)。

youtu.be

ドラマ全体を通じて伝わるのは、医師と患者、医師と医師、医師と看護師 の関係でお互いをよく知ろうとするコミュニケーションの大切さです。それも、ごく自然に行われ、とってつけたような、道徳観を押し付けることはありません。

これほど、韓国ドラマにありがちな、過剰な演出を排除しても、いい感じで観れるのは、脚本がしっかりしているからです。

韓国ドラマを敬遠する人も、見て良かったと思うようなドラマだと思います。

「賢い医師生活」は、医療現場に焦点をあてたお仕事系ドラマですが、このドラマで描かれる、関係者間でのコミュニケーションの大切さは、どの仕事にも相通じるものがあると思います。

わたしのいる IT業界 では、最新のIT技術を取得し、技術でコンピュータを制覇することが、仕事で成功する鍵だと思われがちですが、実際は違います。

ITのお仕事は、新規でコンピュータ・システムを開発するプロジェクトと、日々の運用を行う定常業務に大別されます。

プロジェクトと定常業務

どちらの役割になったとしても、エンジニアが仕事で失敗する原因のほぼすべてが、コミュニケーションのミスによるものです。これは、俗に「報・連・相」という組織に於けるコミュニケーションの円滑さを重視することをさしがちですが、範囲はそこに留まりません。システムの利用者、取引先の関係者、さらに広げれば、いま接しているコンピュータ・システムとの対話もコミュニケーションの範疇になると思います。

コミュニケーションとは、お互いの特性をよく知り、共に満足して信頼関係を深めることです。

もちろん、ITエンジニアとして、技術に関心を持つことは、必要ですが、コミュニケーションを軽く考えると、成長は望めないと思います。