叡智の三猿

〜森羅万象を情報セキュリティで捉える

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リアルとネットにあふれる「誹謗・中傷」

飲み会もすっかりオンラインになりました。これもニューノーマルのひとつですね。いまはレストランの宅配サービスも充実しているので、離れていても同じ料理を食べながら会話ができます。これである程度の一体感も味わえます。

オンライン飲み会

オンライン飲み会の幹事さんは大変です。リアルなお店であれば、2時間とか3時間の予約制限があるので、そのなかで会を運営すればいいのですが、オンラインは時間制限がありません。ダラダラした会になりがちです。気の合う数名程度の飲み会なら好きなようにやればいいのですが、組織で開催する場合はやはりメリハリが必要です。

幹事さんは参加者のみんなが楽しめるようにするため、ゲームを企画します。ただ、通信環境は個々の家庭で異ります。おおむね、100Mbps以上の回線が確保されていれば、顔出しでゲームを楽しむことも問題にならないと思いますが、通信速度が30Mbpsに満たない場合は、音声のみの参画の方が安全です。通信量によっては切断が発生してスムーズに運営がいかないこともあります。

光回線がもっと浸透したら通信速度は気にならなくなります。今後はAR(拡張現実)が浸透するので、オンライン飲み会もよりスムーズに、よりリアルになるでしょう。

オンでもオフでも飲み会に酒は必須です。酒を飲むと饒舌になるのはアルコールの影響で網様体が麻痺することで、理性をつかさどる大脳皮質の活動が低下することに起因するようです。それによって、本能や感情を支配する大脳辺縁系の活動が表に出るようです。

職場で言えない本音が酒の席で聞けるのは飲み会の楽しみです。

楽しくない飲み会もあります。酔うと他人の悪口を平気で述べる人がいます。大抵はその場にいない人が悪口のターゲットになるのですが、話を聞きながら、「誹謗・中傷」と感じる場面があります。特に職場の上司がその場にいない部下に対して「あいつ本当に何も覚えないよな~」といった類の話を聞くと、上司の人間性に不信を持ちます。そんな上司も普段は人当たりが良かったりするので、その本性を垣間見た気がして気分が悪いです。

あと、楽しくないと感じた飲み会で思い出すのは、むかし血液型を聞いて悪くいう上司がいたことです。

その上司はわたしの血液型を聞いてB型と知るとー

だから、お前は自己中なんだな~

と、断罪したのです。

上司は血液型を酒の肴にして、場を盛り上げようとしているのかもしれないです。しかし、いい面をいうならまだしも、性格を悪く言われるのは腹がたちます。そもそも、血液型と性格に因果関係があるか分からないですが、あえてB型の性格を話題にするならー

お前の行動的な性格はB型にあるんだな。

というような言い方であれば、聞き流すだけでよく、おそらく腹も立たなかったと思います。

その上司は社内ではジェネラリストとして、コミニュケーション力を強みとしていたのですが、自分が「誹謗・中傷」を周りに振りまいていることに気がついていません。

言葉の使い方はとても大切です。「表現の自由」は大切ですが、それをどのような言葉として発信するかはよく考えて欲しいと思います。

情報セキュリティでは、情報モラルの低い人による「ネット上の誹謗・中傷」が脅威です。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使い、匿名で個人を誹謗・中傷する行為が社会問題となっています。情報リテラシー教育の必要性が問われ、学校教育でも「社会と情報」として、情報やモラルに関する知識を学習しています。

当然ですが「誹謗・中傷」の問題は、ネットだけで閉じたことではなく、リアルな社会でも同じです。ただ、ネットでの「誹謗・中傷」は、多くの発言が匿名であることに加え、その情報が多くの人に拡散される可能性があるのでより陰湿です。わたしたちは、SNSにある情報が必ずしも正しいとは限らないことを認識するべきです。情報の信頼性をよく考え、安易な拡散はやめるべきでしょう。

ただ、酒に酔って「誹謗・中傷」をする人を見ると、この課題を教育やモラルで対処することの限界を感じます。きっと人間の本能には「いじめをする欲求」が組み込まれているんだと思います。普段の生活では理性が働き「誹謗・中傷」を抑えていても、薄っぺらい理性はちょっとしたはずみで取り外され、むき出しの欲望を発揮するでしょう。

要は誰もが「誹謗・中傷」の加害者になりうることを認識するべきだと思います。誹謗・中傷に対しては、侮辱罪を厳しく適用するのがいいと思うのですが「表現の自由」との線引きが難しいと思います。わたしたちがお互い、注意しあうことが必要だと思います。SNSの世界でも酒の席でも、誹謗・中傷と感じる発言に対しては「その言い方は良くないと思う」と、オープンな場で指摘する勇気が必要だと思います。