叡智の三猿

〜森羅万象を情報セキュリティで捉える

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活躍するバーチャルヒューマン

人間と間違えるほど精密なAI機能を搭載したバーチャルヒューマンは、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)業務領域で大いなる活躍が期待できるかもしれません。
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CRMの本質は「私をみんなのなかのひとりではなく、私は私として対応して欲しい。」という消費者の欲求の現れです。

この消費者の欲求に対して、バーチャルヒューマンが活躍できる理由は3つあると考えます。

顔認識により接点を持ったお客様を記憶している

仕事のできるショップの店員さんは、お客様の顔を覚えるため、メモをとったり、記憶を復唱したりするなどの工夫をしています。それでも、膨大なお客さんのすべてを覚えようとすると、個々のお客様の細かなことまでは覚えられなくなります。そのため、来店の頻度が多い消費者に絞って覚えることになります。

バーチャルヒューマンはカメラでとらえたお客様の顔を瞬時に認識します。そのお客様がいつ、どのような問い合わせをしたか、何を購入したかを正確に記録します。お客様が再びバーチャルヒューマンと接点をもったとき、そのお客様との過去のやりとりをバーチャルヒューマンは知ってる前提で会話をします。

接すれば接するほど、お客様の志向性を理解する

バーチャルヒューマンはAIによる学習機能を備えていることから、接すれば接するほど、お客様の志向性を理解します。

ただ、お客様との接客は声のトーンや、間の取り方など、高度なコミニュケーション力が必要です。バーチャルヒューマンが、お客様の志向性にあう商品を2つか3つくらいに絞り、お声がけをし、お客様に選択権を与えつつも、お客様が商品の選択に悩みすぎないような会話力を身につけるのは、まだ先だと思います。

しかし、それほど遠くない未来にそんな会話力も身につくかもしれません。

24時間365日、接客ができる

いくら気力・体力の充実した店員さんでも、24時間365日、接客することは不可能です。

バーチャルヒューマンはお客様が相談したいタイミングでいつでも最高のパフォーマンスを発揮します。



情報セキュリティ面から考慮するべきことを考えると、CRMの仕事はお客様の個人情報を扱いますので、バーチャルヒューマンが取り扱った個人情報も事業者は適切に取り扱いする必要があります。

OECD(経済協力開発機構)から公表された「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドラインに関するOECD理事会勧告(通称、OECD8原則)」があります。個人情報を扱う、事業者はこのガイドラインを遵守することが求められます。

OECD8原則

  1. 収集制限の原則:個人データは、適法・公正な手段により、かつ情報主体に通知または同意を得て収集されるべきである。
  2. データ内容の原則:収集するデータは、利用目的に沿ったもので、かつ、正確・完全・最新であるべきである。
  3. 目的明確化の原則:収集目的を明確にし、データ利用は収集目的に合致するべきである。
  4. 利用制限の原則:データ主体の同意がある場合や法律の規定による場合を除いて、収集したデータを目的以外に利用してはならない。
  5. 安全保護の原則:合理的安全保護措置により、紛失・破壊・使用・修正・開示等から保護するべきである。
  6. 公開の原則:データ収集の実施方針等を公開し、データの所在、利用目的、管理者等を明示するべきである。
  7. 個人参加の原則:データ主体に対して、自己に関するデータの所在及び内容を確認させ、または異議申立を保証するべきである。
  8. 責任の原則:データの管理者は諸原則実施の責任を有する。

また、お客様とのやり取りの記録データは暗号化する必要があるでしょう。

現在、安全な暗号化方式についての情報は、CRYPTRECが、公募された暗号技術および業界で広く使われている暗号技術を評価し、電子政府における調達のための暗号リストである「CRYPTREC暗号リスト(電子政府推奨暗号リスト)」を公表しています。

電子政府推奨暗号リスト