叡智の三猿

〜森羅万象を情報セキュリティで捉える

当サイトは、アフィリエイト広告を使用しています。

悲しいマラソン

わたしと同じ昭和40年(1965年)生まれの男子であれば誰もが「ウルトラマンシリーズ」を観ているでしょう。

いままであまり意識をしていなかったのですが、放映されている年代から鑑みると、わたしが観てい たウルトラマンは再放送のようです。ウルトラセブンも再放送ですね。

  1. ウルトラマン:1966年から1967年まで放映
  2. ウルトラセブン:1967年から1968年まで放映
  3. 帰ってきたウルトラマン:1971年から1972年まで放映
  4. ウルトラマンA:1972年から1973年まで放映
  5. ウルトラマンタロウ:1973年から1974年まで放映
  6. ウルトラマンレオ:1974年から1975年まで放映

ウルトラマンレオ以降のシリーズは観ていないです。

かって円谷プロダクション社屋があった小田急線 祖師ヶ谷大蔵駅の周辺はウルトラマン発祥の地として「ウルトラマン商店街」として地域の振興をはかっています。都心から近いので気軽な観光スポットです。

ウルトラシリーズには「地球防衛軍」という軍隊が存在します。「地球防衛軍」の敵は地球の外にいる怪獣です。ほとんどの放映では「地球防衛軍」が怪獣をやっつけるには至らず、結局はウルトラマンが登場して怪獣を倒すのですが、「地球防衛軍」の存在はドラマの演出上、重要な役割を担っています。

初期のウルトラシリーズは、正義(人類)が悪(怪獣)をやっつけるだけという単純なストーリーではありません。そのことがよく分かる名シーンがこちらです。

ダン隊員:超兵器が必要なんですね
フルハシ隊員:決まっているじゃないか
ダン隊員:侵略者は、超兵器に対抗してもっと強烈な破壊兵器を作りますよ
フルハシ隊員:我々は、それよりも強力な兵器をまた作ればいいじゃないか
~~アンヌ隊員がクローズアップ~~
ダン隊員:それは、血を吐きながら続ける、、、、悲しいマラソンですよ
youtu.be

「血を吐きながら続ける、、、、悲しいマラソン」というフレーズに、子ども心ながら重みのある言霊に触れた感覚を持ちました。ウルトラマンは人間社会と怪獣社会の対決を描いていますが、その根底にあるのは、国家の異なる人間同士がより強力な兵器を開発して、威嚇しあう現代社会を風刺しているからです。

「正義」の反対は「悪」で、正義が悪を倒すのが正しいとされますが、実はそうでありません。戦争はある立場にたった正義と、別な立場に立った正義の戦いであり、そこには善悪の概念がありません。

人間の社会は下記の動画(世界の過去1000年間に起きた戦争をビジュアル化した映像)が示すように、太古からいままで戦争・紛争が絶えたことはありません。経済問題で国と国がいざこざを起こし、庶民の生活が苦しくなると、権力者は反権力に向かわぬよう、相手国を敵として煽ります。そして怒りのパワーが戦争へ突き進むことを歴史は証明しています。

youtu.be

さて、これからはAI(人口知能)の時代です。AIは最近出てきたトレンドのように思えますが、それなりに歴史があります。いまは第三次のAIブームといわれます。

第一次AIブーム

1956年にアメリカで開催された「ダートマス会議」で人間のように考える機械のことをAIと呼ぶことになりました。これにより人工知能が、科学の一分野として社会に認識されました。第一次ブームでは「推論」と「探索」の研究が試されました。この研究により迷路やパズルにAIが答えを出せるようになりました。

第二次AIブーム

1980年代に「エキスパートシステム」という言葉が使われるようになりました。これはコンピュータに専門分野の知識を記憶させ、質問に対して回答を出す仕組みです。コンピュータが専門家の役割を果たすわけです。しかし、専門分野の知識の記憶はことのほか、膨大なうえ、質問が曖昧だと回答も困難なことが分りました。

エキスパートシステムはしりすぼみ状態となりました。

第三次AIブーム

そしていまのAIブームの火付け役となったのが、深層学習(ディープラーニング)です。深層学習は大量のデータから「どこに注目をするべきか」をコンピュータ自身が判断します。

人間の脳はニューロンと呼ばれる神経細胞のネットワークです。脳はたくさんのニューロンのつながりで階層化されているのですが、脳が判断する元となるデータの入力層と、判断結果である出力層の間にある中間層をコンピュータの力で正確な判断をするのが課題でした。深層学習は中間層を多層化することで、人間の判断に近い正確性を高めるとともに、人間では気がつかない特徴の発見を可能にしました。

深層学習によるAIは「血を吐きながら続ける、、、、悲しいマラソン」に終止符を打つような、正しい判断を行う時代が来るのでしょうか!?



ウルトラセブンがネットフリックスで配信されることを期待しています・・・。