叡智の三猿

~情報セキュリティで森羅万象を捉える~

「モノ」から「コト」の消費について

サブスクの勢いはどこまで広がるのでしょうか!?

その分水嶺は、サブスクでモノが伴う消費の広がるかどうかだと思います。

サブスクは、商品やサービスを一定期間、一定額で利用できる仕組みです。Netflixのような動画配信や、Amazon Musicのような楽曲配信サービスでは、すっかり定着しました。日常的に映像作品を鑑賞する人であれば、DVDを購入するよりも、動画配信サービスを利用した方が、ずっとお得ですよね。サブスクなら何度、同じ作品を見続けてもDVDのように品質が劣化することはありません。楽曲配信も同じです。毎日、音楽を聴くなら、CDを購入するより、サブスクが絶対お得ですね。

ただ、動画配信や楽曲配信のような、ネットで注文したら、デジタルデータの供給をすれば完結するビジネスは、サブスクの優位性を示すのは容易です。

ネットで完結するサービスより、食品、化粧品、車、住宅等々、、モノを伴う消費で、サブスクのビジネスモデルがどこまで広がるかに興味があります。

もし、モノを伴う消費でもサブスクが、どんどん拡大したら、それは人間の消費に対する価値観が、モノからコトへ変わったことを証明できると思います。サブスクは革命です。反対に、モノを伴う消費は、サブスクが一定の範囲に収まるレベル(余り広がらない)であれば、バズワード化したサブスクは、一気に死語へ転落する予感です。

今日はプレミアムフライデーだから、サクッと仕事切り上げなよ。その資料は写メして送っておいてくれればいいよ。

そんなKYなこと出来ないわ。リア充じゃないから、帰るしかないし。

ちょっと前までバズった言葉が、使うのが恥ずかしい死語に転落するのは、珍しいことではありませんね・・・。

たとえば、トヨタの新車を月定額で利用できる、クルマのサブスク「KINTO」は、どのくらいメリットがあるのでしょうか。
こちらのホームページで料金の比較シュミレーションが出来ます。
kinto-jp.com

このシュミレーションを使って、パッソ X GAS 1.0L 2WD(5人)を 3 年間、乗った場合の結果(月額)はこうでした。

年齢 KINTO 現金一括払い
21歳以上 37,510円 41,419円
35歳以上 37,510円 36,502円
50歳以上 37,510円 35,672円

若い人はサブスクの方がお得ですが、年齢が上がると、車を購入した方が得であることが分ります。これは任意保険が等級により変わるからです。若い人は事故が多いことから、保険料が高く設定されています。

この結果を見ると、わたしのような50歳を超えたおっさんにとって、車のサブスクを利用するメリットは感じません。サブスクは若い人で、車を頻繁に乗り換えたい人に向いたサービスといえます。若い人は車を所有する欲求が低いと言われます。サブスクはそのターゲットに消費意欲を掻き立てるかもしれません。

ただ、そもそも車を所有したいと思わないのであれば、必要なときに契約するレンタカーでもいいんじゃないかと思います。月に5回程度、車を利用するサンデードライバーであれば、サブスクよりレンタカーの方がお得です。或いは、車を複数人で共有するカーシェアリングも選択肢のひとつです。こちらは料金的にも手頃かつ、環境負荷の低減も期待できます。
share.timescar.jp

こう書くと、少なくとも車のサブスクは限定的な利用に留まるように思えます。

ただ、それが結論とも言えません。

そもそもKINTO は、自動車メーカーであるトヨタが行っているサブスクです。自動車メーカーにとっては、車を購入してもらう人の方が、車を利用する(だけの)人よりも、重要なお客様だと思っています。なぜなら、メーカーの本分は、モノを作って、モノをお客様に購入頂くことと考えるからです。車のサブスクが拡大すると、車の購入が減ります。メーカーにとって嬉しくありません。

メーカーがサブスクを行うのは難題です。購入頂くビジネスを主業としながら、利用頂くビジネスを促進するのは、お互いが共食いする・・・ビジネス用語で「カニバル状態」になるのです。ですので、メーカーが行うサブスクは、将来的に自社製品を買ってくれる層を呼び起こすための施策以上には発展しないと思うのです。

ですので、サブスクで主導的な役割を果たす企業があるとすれば、それはメーカーでは無いと思います。

たとえば、UberUber Eatsが余りに有名になったことで、素人が料理を配達する会社と思われていますが、モビリティ プラットフォームとして、乗客とドライバーをつなぐサービスを世界規模で展開しています。車はモノですが、車は乗客とドライバーいて、移動というコトが成立します。そうすると、Uberのようなモノづくりをするメーカーでなく、コトに関するデータを持っている会社こそが、サブスクの主役となる可能性が高いと思います。
www.uber.com