叡智の三猿

~情報セキュリティで森羅万象を捉える~

クラウドとサブスク

昨年「愛の不時着」を観てから、すっかりNetflix漬けの生活となりました。わたしが契約しているのは「スタンダード」プランというもので月額は¥1,490です。Netflixの動画を一日も観ない日は、ほぼゼロなので、元は充分にとっています。
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ちなみに、ヒョンビン出世作である「私の名前はキム・サムスン」のDVDの値段は、¥5,000余り(わが家にあります)です。Netflixの月額で換算すると約3ヵ月分のお値段・・・。こう考えるとDVDは高いな~と思います。(但し「私の名前はキム・サムスン」は、Netflixで配信はされていません)

Netflixのような動画配信や、Amazon Musicのような楽曲配信をサブスク(サブスクリプション)といいます。サブスクは、商品やサービスを一定期間、一定額で利用できる仕組みのことです。

そして、サブスクはクラウドサービスと関連付けして語られることが多くあります。サブスクはビジネスモデルで、クラウドサービスはシステムの形態を示しているので、両者は比較対象ではありません。ただ、関連が密のため、少し混乱してしまいがちです。

整理します。

NetflixAmazon Musicをわたし達が利用する際、コンピュータやソフトウエアのIT資産を保有しません。サービスを利用しています。これがクラウドサービスの特徴です。正確にはクラウドサービスのSaaSによるサービスを利用しています。SaaSは、サービスを契約し、利用者のアカウントが準備できれば、すぐに利用することが出来ます。パッケージソフトを購入するより手軽に利用できます。

クラウドサービスの特徴として、よく挙げられるのは次の5つです。これはあくまでも一般的な特徴であり、定義ではありません。

  1. 利用者がネットの管理画面から手続きをしてすぐにサービスが利用できること。
  2. モバイル、パソコンなど多様なデバイスからサービスにアクセスできること。
  3. 事業者の保持するリソースを複数の利用者が共有すること。
  4. 事業者が利用状況に応じて、処理能力を高めたり下げたりすること。
  5. 利用した分だけ課金される従量制や定額制であること。

ですので、Netflixはサブスクでありクラウドサービスでもあります。

では、クラウドサービスではないサブスクはあるのでしょうか?

あります。

サブスクは、商品やサービスを一定期間、一定額で利用できるような仕組みですので、古来からある新聞の定期購読(朝日新聞は月額¥4,037)や、最近は少なくなっていると思いますが、早朝に配達される牛乳(明治であれば月額およそ¥3,900~¥4,600)も実はサブスクです。サブスクはネットの世界で完結する言葉ではありません。意外な分野でもサブスクは広がっています。わたしの友人で日比谷花壇の運営している、お花の定額制プランを契約している人がいます。サブスクは業界を問わず、どんどん拡大しています。
shop.hana.com

では、サブスクでないクラウドサービスはあるのでしょうか?

もちろん、あります。

FacebookTwitterなどのSNSは、クラウドサービスですが、わたし達がSNSを利用する際、多くは直接、事業者にお金を払っていません。SNSにおける収入源となるビジネスモデルは、広告収入型タイプが主流です。これは、SNSサイトにスポンサーである他社の広告を表示させることにより、収益を得るモデルです。

2020年のFacebookの収益を見ると、$85,965のうち、広告収入が$84,169を占めています。実に97.9%が広告収入となります。
investor.fb.com

このように書くと、サブスクのビジネスモデルと、クラウドサービスは共存するサービスもあれば、そうでないものもあります。

ではなぜ、両者が密に関わっているかというと、クラウドサービスをサブスクで提供することで、顧客データを取得しやすくなるからです。

たとえばECサイトを通じ、DVDを販売すると、そのDVDを買った顧客が、DVDをどのように視聴し、どう評価したかをサイト運営側で把握することは難しいです。お客様がECサイトに満足しているか、よく分かりません。顧客の満足度をサービスを提供する側が充分に把握出来ません。

一方、サブスクであれば、購入してからの顧客の行動履歴を捉えることが出来ます。特定顧客に対しては、使い勝手など定点調査もしやすくなります。顧客の行動データや調査データを製品やサービスの開発に活かすことで、継続的なサービスの利用を促し、更にはよりプレミアムなサービスへの誘導(アップセルといいます)も期待出来ます。