叡智の三猿

~情報セキュリティで森羅万象を捉える~

野村克也さんの「リーダーとして覚えておいてほしいこと」を読んで

首都圏はコロナ禍の緊急事態宣言の影響もあるのでしょうか!?静かにプロ野球は開幕した印象です。

昨年、佐々岡新監督が率いるカープは5位でした・・・。2年目の今年は、絶対優勝。悪くともAクラスが欲しいです!新ストッパーの栗林が好発進で期待!期待!

わたしの地元球団、横浜DeNAベイスターズも、三浦大輔が新監督になったことで、注目しています。開幕カードは外国人選手の来日が遅れたことが影響しているのか、イマイチでしたが・・・。

さて、プロ野球界の大御所、野村克也さんの本「リーダーとして覚えておいてほしいこと(PHP研究所)」には、監督(指導者)は性格や手法により、5タイプに分かれると書いています。わかりやすいように名監督の名前を添えています。

  1. 「管理」して選手を動かす:広岡達朗
  2. 「納得」させて選手を動かす:野村克也
  3. 「情感」で選手を動かす:星野仙一
  4. 「報酬」で選手を動かす:鶴岡一人
  5. 「実績」で選手を動かす:王貞治

本では複数の監督名が書いていましたが、わたしの独断でひとりだけ選んでみました。ただ、鶴岡一人監督は、古すぎてイメージできません。

この本のなかで、鶴岡監督の決めゼリフをこのように書いてます。

「グランドにはゼニが落ちている。ゼニを稼げる選手になれ」

なるほど、、鶴岡監督というのは、飴と鞭を使うタイプの指導者だと認識しました。

野村さんの指導者分類ですが、わたしはすんなり腹に落ちました。そして、これは野球に限った話ではなく、あらゆる組織のリーダーもこの分類に分けることが出来そうだと思いました。

野村克也さんの言葉はビジネスマンに多くの示唆を与えてくれます。

わたしは野村さんの書いた指導者の5つのタイプを見ながら、これを2つの軸で分けてみようと思いました。それは、性善説性悪説の軸と、論理型・感情型の軸です。

それで分類したものが下図です。

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指導者の分類

たとえば、西武ライオンズを3回のリーグ優勝に導いた広岡監督は「管理野球」で有名でした。選手の役割分担を決め、それぞれの役割を完璧に果たすように教育します。綿密にスケジュールを組んで選手を管理する指導法は理論型です。

この指導法の根本的な思想は

「管理しなければ、選手は怠ける」

という性悪説に基づいていると考えました。

性悪説」は荀子が書き記した「荀子」の一編にあるこの言葉です。

「人の性は悪にして、その善なる者は偽なり」

これは「人の善良なる精神は、生まれつき備わったものではなく、体験が学習を通じて得たもので、結果論にすぎない」ということです。

野村監督の有名な「ID野球」は「管理野球」と、理論重視という面では似通っています。しかし「ID野球」は選手が主体的に考えていくようにする性善説に基づく指導法です。

リーダーが選手を育てるには、まず選手を「信じる」ことから始めないといけない。「信じる」ことによって、選手のモチベーションを触発して、奮起させるのだ。
~「リーダーとして覚えてほしいこと(野村克也)」より

広岡監督と野村監督の指導法は、性悪説性善説で対比されると思いました。

わたしは、前回のブログで経験の浅いITエンジニアに伝えたいことを書きました。わたしもメンバーを信用して、一緒に考えていくことを望んでいます。
www.three-wise-monkeys.com
ただ、リーダーとして仕事をすると「信じること」の限界を感じることも多々あります。わたしがメンバーに求めることと、メンバーがわたしに求めることにギャップがあるからです。

わたしはメンバーに「自分で考えること」をいちばん伝えたいのです。しかし、メンバーは「自分の評価をあげる答え」を知りたいと思っています。

いまはすっかり「成果主義」が浸透しました。成果主義はリーダーが個人を査定して昇給に差が出る仕組みです。メンバーには「自分で考える」より、「昇給」という具体的な飴を与えて、仕事のやる気をアップさせる方が効率的かもしれないと思います。ただ、わたしは「成果主義」という言葉自体が好きではありません。時間がかかっても、メンバーは自ら考えて成長してもらいたいと思います。