叡智の三猿

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経験の浅いITエンジニア

「出来ることは、やります。」

わたしは20年間、主にSES(システムエンジニアリングサービス)形態で働くITエンジニアとして、複数のお客様企業のプロジェクトを支援してました。その過程で、成長するエンジニアも脱落するエンジニアも見てきました。わたしは経験の浅いエンジニアに、SESで働く魅力を伝えられたらいいなと思っています。ただ、その為にどのような「言葉」を伝えるべきかは悩みです。

経験の少ないITエンジニアは、自分の目指すべき方向が定まっていないことがほとんどです。そういうエンジニアは「出来ることは、やります。」ということが、多いのです。経験年数は長くても、方向性の定まらないエンジニアもたくさんいます。

しかし「出来ることは、やります。」というエンジニアに対して、SESの営業は適切な案件を与えることが出来ません。

たとえば「運用監視」の案件があるとします。このとき、

エンジニアAさん:運用監視の仕事をやりたいです。

エンジニアBさん:わたしが出来る仕事ならやります。

という、エンジニアがいた場合、営業はどちらに案件を振り分けるかは明白です。「出来ることは、やります。」というエンジニアが手にする案件は、「猫の手も借りたい」ような、半ば炎上したプロジェクトに短期(1~3ヵ月)で投入されるのがオチでしょう。仕事をしてもお客様から適正な評価を受けることはありません。当然ながら報酬もアップしません。

ですので、経験の浅いエンジニアも、自分の目指すべき方向は持っておくべきです。

経験の浅いエンジニアの適正

わたしは、1on1でエンジニアと会話します。エンジニアとの会話で、相手の性格や志向性を把握して適材な仕事を一緒に考えます。

たとえば、論理的な表現力に長けた人であれば、プログラミングの適正があると思います。そういう人には、SQLはもちろんですが、Pythonの取得を勧めます。そして、ゆくゆくはお客様の「データ分析」をして、課題と解決策を導き出し、お客様のビジネスの成功に結びつく提案ができるようなエンジニアになって欲しいと伝えます。

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また、安全志向が強く、着実に物事をやりたい人は、計画性のあるプロジェクトに向いています。アジャイル開発モデルより、ウォーターフォール開発モデルの仕事に向いているでしょう。まずは「テスト」や「移行」などの下流工程からの参画を勧めます。そこから、徐々に上流工程に進みます。目標はプロジェクトマネジメントが出来るエンジニアになって欲しいと伝えます。

ウォーターフォールモデル

人の能力の構造

仕事に対する人の能力を判断するとき、どうしても表面に見える「スキル」を重視してしまいます。「スキル」は職務経歴書、スキル表に記載されるものです。このため、経験の浅いエンジニアは、スキルが足りないことで能力を低く見られがちです。しかし、下図のように能力を「スキル」だけでとらえるのではなく、それを支える「マインド」や「キャラクター」を含めて判断したらどうでしょうか。

人の能力の構造

たとえいまの「スキル」は不足しても、その仕事に対する適正が「キャラクター」や「マインド」からはかれば、あるかもしれません。そのようなエンジニアは、少ない経験で、大きな効果を発揮する可能性が高いのです。はじめは手取り足取り、スキルを伝授する仕事が発生しますが、中長期的には大きな戦力になるでしょう。

ですので、エンジニアは自分の「キャラクター」や「マインド」に適した仕事の方向性を持っておくことがいいのです。

今日でブログをはじめて1年たちました。1年間続けてこれたのは、このブログを読んで頂くみなさまの暖かいご支持があったからだと思っています。
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これからもよろしくお願いします。