叡智の三猿

〜森羅万象を情報セキュリティで捉える

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ネットの汚れを掃除する

前回のブログでは、わたしの地元(横浜市・港北ニュータウン)の交通安全のマスコット「都筑まもる君」を紹介しました。

「都筑まもる君」は、ゴリラですが、スピード違反を防止する重要な役割を担っています。また「おまわりさん」が、パトロールをするのも、交通事故や犯罪を防止することが目的です。パトロールカーの脇でスピード違反をするような強者は、まずいないですね。

では、ネットの世界ではどうでしょうか!?

ネットには現実世界と同じように、犯罪を予告するような書き込みや、差別を助長するような書き込み、プライバシーを暴露した誹謗・中傷にあふれています。

こうした問題ある書き込みを監視して、削除などの対応するお仕事があります。

これをネットパトロールと呼びます。

ネットパトロールのお仕事は、求人サイトで簡単に確認をすることができます。

ネットパトロールの求人例

仕事内容はブログやSNSなどに投稿されたコンテンツが不適切か否かを判断して、OK、NGを出すというものです。

判断の根拠となるガイドラインがしっかりしていれば、難易度は低そうです。また、デスクワークですので、肉体的な負担は少なさそうです。

一方でこの仕事は精神的にかなり厳しいという話を聞きます。公にするのに問題がある、文章、画像、動画をずっと見続ける仕事です。外国人、障碍者に対する誹謗・中傷、児童ポルノ、犯罪行為、動物虐待・・・目を背けたくなるようなコンテンツばかりを目にします。いくら仕事と割り切っても、一日中そんなものばかり、見続けいたら、精神的に病むのは当たり前だと思います。

現実世界のパトロールは、おまわりさんやパトロールカーが町を巡回するので、人目につきます。それが、犯罪の抑止力につながるでしょう。しかし、ネットパトロールは、人目につきません。ネットパトロールは、犯罪の抑止力として機能しません。ネットパトロールは、ネット上で起きた、犯罪的行為や問題の痕跡をお掃除する仕事です。

「The Cleaners」という、ネットパトロールの実態を描いたドキュメンタリー映画があるようです。なかなか映画を観る機会はないのですが、興味深い作品です。ネットパトロールのお仕事をする人がいるからこそ、わたし達はSNSを安心して使うことができます。
youtu.be

誹謗・中傷により、他人の人権を侵すリスクは、誰にもあると思います。「わたしは、そんなことはしない」と思うかもしれないですが、他人を攻撃して自らのストレスを解消する欲望はきっとあらゆる人間が持つ資質です。「荀子」の唱えた性悪説ーー「人の性は悪であり、善良なる精神は、生まれつき備わったものではなく、学習によって得た結果論である。」に共鳴します。

SNSは世界中に浸透しています。しかし、それを利用するにあたって「サービス利用規約」を読む人はあまりいないでしょう。ですが、一度は目を通すのがいいと思います。プラットフォーマー(FacebookやTwitterなど)は、不適切なコンテンツにより、他人を傷つけるようなことがあっても、法的な責任を回避する免責をうっています。

世界で27億人超の利用者がいるSNSのガリバー、Facebookは以下のように書いてます。

弊社は、利用者の言動を管理または指示しません。また、オンライン、オフラインを問わず、利用者の行為や振る舞い、またはシェアするいかなるコンテンツ(不快、不適切、卑猥、違法およびその他の不適切なコンテンツ)に関しても責任を負いません。~FacebookのFacebookより

日本における月間アクティブユーザー数が、4,500万人にのぼるTwitterは次にように書いてます。

利用者は、本サービスの利用により、不快、有害、不正確あるいは不適切なコンテンツ、または場合によっては、不当表示されている投稿またはその他欺瞞的な投稿に接する可能性があることを、理解しているものとします。すべてのコンテンツは、そのコンテンツの作成者が単独で責任を負うものとします。当社は、本サービスを介して投稿されるコンテンツを監視または管理することはできず、また、そのようなコンテンツについて責任を負うこともできません。X利用規約より

SNSを使うことで、誰かを傷つける可能性があります。そして、誰かに傷つけられる可能性があります。その事態に対して、自己責任で対応することとなります。

それを理解したうえで正しいSNSの使い方をしていきたいと思います。