2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は、2030年までに達成するべき国際的な目標です。すっかりSDGsの呼び名が定着しました。そこには17のゴールが定められています。
その目標12(つくる責任つかう責任)は「持続可能な生産消費形態を確保する。」です。フェアトレード製品をわたし達が意識して購買・消費するエシカルな消費を促しています。
- エシカルとは「倫理的」という意味です。エシカル消費は、地域の活性化や雇用を含む、人や地球環境、社会に配慮した消費行動を指します。
チョコレートを題材として、フェアトレードの認証について書きます。
フェアトレード製品を選択する際、参考になるのが、フェアトレード基準を満たしている団体に対して認定する、WFTO(世界フェアトレード連盟 :World Fair Trade Organization)認証制度です。
その団体の事業活動が、フェアトレードの基準を満たしていると判断されたら、WFTOに加盟することができます。
WFTOの加盟としてよく知られている日本の団体は「ピープルツリー」を展開しているフェアトレードカンパニー株式会社です。
わたしはピープルツリーのチョコレートがかなり好きです。自由が丘の直営店はもちろん、駅の売店など、意外な場所でも手に入れることができます。いろいろな味が楽しめます。ひとつひとつのパッケージがかわいらしく、まとめて買いたい誘惑にかられます。
WFTOに加盟した団体の製品は、図のような認証ラベルをつけることができます。この認証ラベルをつけた製品を買うことで、エシカル消費を推進していることになります。
WFTOに加盟していない団体でも、製品がフェアトレードである場合があります。それを認証するのが、Fairtrade Internationalの認証ラベルです。このラベルがあれば、その製品は国際フェアトレード基準を満たしていることを証明します。
国際フェアトレード認証制度では、原料を生産する生産者から製品にラベルが貼付されるまでに関わるすべての認証組織に対して、定期的に監査を実施することにより、認証ラベルの信頼性を保持しています。
下の写真はセブンイレブンのフェアトレード・チョコレートです。もちろん、セブンイレブンのプライベートブランドの全てがフェアトレードの製品ではありません。団体でなく、製品がフェアトレードであることが、Fairtrade Internationalの認証ラベルを確認することで分かります。
サイコロの形をした甘さ控えめのチョコレートは、コロコロした食感が楽しく、あっという間に食べてしまいます。70%のカカオは美味しくかつ健康にも良さそうないい感じがします。
裏面を見ると、製造メーカーは「森永製菓」と書いてます。
森永製菓のような大手の会社がフェアトレード商品を開発・製造をすることは、エシカルな消費を促す意味で望ましいことだと思います。しかし、現実の会社は消費者の売れ筋を追った商品開発をしています。価格の安さを求める消費者が多ければ、そこに企業は追従するでしょう。商品の価格を下げるしわ寄せは、もっとも弱い立場のカカオ農家に向かいます。そして、カカオ農家は生活をするために児童労働に頼ざるを得ません。
結局、エシカル消費の浸透は、わたし達の購買意識の高さにかかっているのかもしれません。