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不確実性のビジネス

育てて勝つ

2020年シーズン、就任1年目の佐々岡監督が率いた、広島東洋カープは5位と低迷しました。52勝56敗12分け。前半戦での投手陣の崩壊が大きかったと思います。

ただ、個人的にはプロ11年目の堂林翔太が、開花したのが嬉しいシーズンでした。

「育てて勝つ」のはカープの流儀です。

セ・リーグ3連覇を達成した2016年~2018年のカープを牽引したのは、タナ・キク・マル(田中広輔/菊池涼介/丸佳浩)でした。

彼らのドラフト順位は次の通りでした。

  • 田中広輔:2013年(平成25年)第3位
  • 菊池涼介:2011年(平成23年)第2位
  • 丸佳浩:2007年(平成19年)第3位

実績のあるFA選手をとることはせず、ドラフトの順位に関わらずじっくり育て、使える選手に成長させるのがカープ野球の本質だと思います。

優勝するという目標に対して「育てて勝つ」戦略は、不確実性の高い方法です。プロ野球の門を潜る選手であれば、野球の才能は当然あると思います。しかし、本当に活躍する選手に育つかどうかは保証できません。カープのような「育てて勝つ」より、ジャイアンツのような「FA選手を獲得して勝つ」戦略の方が、確実な優勝への道です。

カープは「育てて勝つ」戦略を貫いた結果、1998年から15年連続Bクラスという暗黒期を迎えた過去があります。手間をかけてせっかく育った選手も、FAで流出するリスクと常に隣り合わせです。

その一方「育てて勝つ」戦略がハマると、大きなメリットをもたらします。すでに実績のあるFA選手を獲得しても、それは1の効果です。「育てる」効果は1ではありません。何人もの選手が育つと、相乗効果が生まれます。

それが、2016年~2018年のリーグ3連覇であり、その象徴がタナ・キク・マルでした。

「田中が四球で塁に出て、菊池がバントで送り、丸で返す。」

育った選手がそれぞれの長所を活かし、最小の戦力で最大の効果を発揮したのです。

残念ながら丸は2019年からジャイアンツに行ってしまいましたが、田中はカープへの残留を決意してくれました。

田中広輔に、感謝!感謝!大感謝です!

「育てて勝つ」はカープの流儀 [ 坂上俊次 ]

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「育てて勝つ」という不確実性の高い戦略は、多くの場合、期待する効果を生みません。しかし、不確実性の高い戦略は、時として想像を超える大きな効果を生む可能性があります。

不確実性のビジネス

不確実性を題材として、来る2021年のビジネスシーンについて書いてみます。

間違いなく、2021年は極めて不確実性の高い一年となります。順調にいけば、2021年はオリンピックが東京で開催されます。そこで多くの商売が行われ、景気が良くなる期待が膨らむはずです。しかし、その期待は非常に危ういことは誰もが想像できます。

  • オリンピックは完全な形で開催されるのか。
  • 観客を減らして規模を縮小して開催されるのか。
  • 開催されないのか。

オリンピックの開催はいろいろな可能性をはらんでいます。そして多くのビジネスはオリンピックの動向に左右されるでしょう。

ビジネスの不確実性が高いというのは、ビジネスリスクが大きいことと同じです。

おそらく多くの会社はビジネスリスクを軽減もしくは回避するべく、ヒト・モノ・カネの投資を控えるでしょう。

ですので、2021年のビジネスシーンが活況を呈する可能性は、残念ながら低いと思います。

DXで持続可能な未来を

2021年のビジネスを考えるうえでのキーワードはー

  1. サステナビリティ・SDGs
  2. デジタルトランスフォーメーション(DX)

だと思います。

サステナビリティ(Sustainability)とは「人間・社会・地球環境の持続可能な発展」を意味します。地球温暖化問題が盛んに議論された、2007年頃からよく目にする言葉です。最近はSDGsという似たような意味を持つ言葉が流行語となっています。

元々、サステナビリティはデジタルとの関連は疎結合でした。しかし、コロナ禍により「人と人との接触」こそ「持続可能な発展」を阻害する要因となりました。そのため、これからは「人と人との接触」を避けるデジタル技術と、サステナビリティの関連が密結合になると思います。

サステナビリティとDXを掛け算したビジネスモデルに大いなる可能性を感じます。

2020年、コロナ禍で「Uber Eats(ウーバーイーツ)」が拡大しました。すでに多くの方が利用していると思いますが、これはスマホ・アプリから注文した食事をデリバリーするサービスです。

厳しい飲食店の経営をネットからのデリバリーによって、持続可能な形態にしたのです。

Uber Eatsは、サステナビリティとDXを掛け算したビジネスモデルのいい例だと思います。

ただ、このビジネスは完全なデジタル化ではありません。Uber Eatsは「一般人」が注文された商品を配達するシステムです。配達する一般人は、店舗での商品の受け取り時に感染するリスクと、配達先での注文者からの感染リスクが考えられます。

そこで、Uber Eatsに代表される「自転車デリバリー」の更なるDX化を進めるならば、配達をドローンが担うことが考えられます。

ドローンが契約した飲食店から、各家庭に食事を配達するために、空中を飛び交うのです。

この光景を想像すると、昭和40年代、子どもだったわたしが原色の図鑑で見た、コンピュータ化された未来が広がります。

昭和の未来(昭和ちびっこ未来画報/青幻舎より)

2021年にこんな光景が展開される可能性は、非常に低いと思いますが、不確実なときだからこそ、想像もつかない驚きが、近い未来に起きるかもしれません。

そんな驚きに期待したいです。

本年はブログ(叡智の三猿)ご愛読を頂きありがとうございました。読んで頂いた方のはてなスターやブックマークやコメントがブログを続ける大いなるモチベーションになりました。来年もよろしくお願いします。