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世界中が晴れた日だと思わせて

東京・八王子市にあるオリンパスミュージアムは、顕微鏡の製造からはじまった歴代のオリンパス製品が展示され、光学技術の歴史を体感出来ます。見学するには予約が必要ですが、丁寧なガイドさんの解説もあり、有意義な時間を過ごすことが出来ます。

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オリンパスミュージアム

一般的に知られるオリンパスの主力商品はカメラですが、本格的なカメラである一眼レフは長い間、男性のための商品でした。そしてカメラの被写体は女性でした。

1979年に発売したオリンパスの一眼レフ「OM10」では、人気アイドルの大場久美子を登場させたコマーシャルが話題となりました。

「好きだというかわりに、シャッターを押した」
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また、オリンパスのライバル会社であるミノルタは1980年の「X-7」のCMで宮崎美子を起用しました。これはもはや伝説的なCMと言っていいでしょう。

「心にふれたら、シャッターを押そう」
youtu.be
カメラユーザーが男性をターゲットにしているのは日本だけではありません。海外も同じです。

ポール・サイモンが放った1973年の大ヒットナンバー「Kodachrome(邦題:僕のコダクローム)」では、コダックのカラーフイルムをニコンのカメラに装着して、ワクワクしながら写真をとる少年の様子を鮮やかに切り取っています。

Kodachrome
(コダクローム
They give us those nice bright colours
(彼らは、私たちにそれらの素敵な明るい色を与えます)
They give us the greens of summers
(彼らは、私たちに夏の緑を与えます)
Makes you think all the world’s a sunny day
(世界中が晴れた日だと思わせてくれます)
I got a Nikon camera
(私はニコンのカメラを持っています)
I love to take a photograph
(私は写真を撮るのが大好きです)
So mama don’t take my Kodachrome away
(だからママは私のコダクロームを持っていかないで)
〜日本語訳は(株)みらい翻訳の機械翻訳エンジンーMirai Translator「お試し翻訳」を使用。


長らく男性のための商品であった一眼レフカメラが、ミラーレスとして軽量化するにあたって、オリンパス宮崎あおいをCMキャラクターに設定しました。

ただし、宮崎あおいはカメラの被写体としてではなく、カメラユーザーとして起用されています。
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これは、宮崎あおいという「ペルソナ」の設定によるマーケティング戦略の成功例に思えます。この成功でカメラは男性のための商品から「カメラ女子」を含む、性差を超えたユーザーを巻き込むことに成功しました。

ペルソナ(persona)とは

  • 商品やサービスの典型的なユーザー像のことです。マーケティングにおいて活用される概念です。「ペルソナ」は架空のキャラクターですが、あたかも実際にその人物が存在しているかのように、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成、生い立ち、休日の過ごし方など、リアリティのある詳細な情報を設定していきます。

もちろん、宮崎あおいは実在する人物です。ただ、ミラーレスカメラのユーザー像として、凛とした女性を具現化したタレントに見えます。SNSの普及とともに増加する「カメラ女子」。カメラ市場は、女性ウケするカメラを各ブランドから多く発売するようになりました。

時代の波は厳しく、レッドオーシャンであるデジタルカメラ市場は生き残りに必死です。

わたしはカメラファンではありませんが、アルバム編集が大好きでした。我が家には大きなアルバムが思い出として30冊くらいあります。

銀塩カメラの全盛期、デジタルカメラは印画の質が明らかに悪く、まさかデジタル画像がここまで一般化するとは思えませんでした。

しかしいまはスマートフォンのカメラ機能が進化しました。写真を紙で保存する意識は薄く、多くの一般ユーザーはデジタルカメラを必ずしも必要とはしてはいません。

来年からオリンパスデジタルカメラを中心とした映像事業をファンドに売却して、分社します。ただ、売却後も「OM-D」「PEN」などのブランドは残るようです。

感動するような製品をわたしたちに見せて頂き、復活を期待したいです。