現在、公開中の映画「ミッドウェイ」の監督、ローランド・エメリッヒは、この映画の魅力を次のように語っています。
これは迫力たっぷりのスペクタル映画。それに、両方を平等な形で語る映画でもある。戦争には、勝者も敗者もいない。みんなが敗者だ。どっちの国の人も死ぬんだから。だからこそ、僕は、映画の最後で日米両方の軍人たちに敬意を表したんだよ。戦争は二度と起こすべきでないということを伝えるためにね。
監督が語るように、戦争は絶対にしてはいけないことですが、世界から戦争が無くなる予感は残念ながらありません。
そして、戦争と情報セキュリティの親和性は高く、情報セキュリティの進化は戦争の形態が複雑化することに繋がっているようです。
令和のいま、情報セキュリティはサイバーセキュリティへと進化しています。医療行為を支援するIoTシステムの制御が悪意を持つハッカーによって奪われたら、人命を危険にさらします。現在のコロナ禍に於いては特に危険な状況です。コロナ対応の最前線で対応する医療機関を標的としたサイバー攻撃が起きているとも言われます。それによって、医療機関の機能を阻害し、医療行為に必要となる備品類の提供や、患者への医療を妨害することになります。
トランプ政権は中国がコロナの感染を拡大させ、ワクチン開発の情報をハッキングしていると非難しています。
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この騒動はアメリカが発端ですが、わたしが住む神奈川県はいままで投稿した政策に関わる動画を非公開としています。その理由は「県として安全性を確実に保証できない。」というものです。
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わたしはこの決定に違和感を持ちます。
なぜなら、TikTokによる情報漏洩が、現時点で明確に発生しているわけではありません。ティックトックジャパンは「日本も米国と同じように中国の国外に利用者データを保存している」としています。ディックトックが中国政府に利用者データを漏洩させている事実はいまのところは見つかっていません。
その中で、非公開の決定をしたのは「ティックトックが安全性への懸念を払しょくできるだけの確定的な情報も確認できていない(黒岩知事)。」からです。
もしこれが非公開の根拠であるなら、TikTokのみを非公開とするのが納得出来ません。TikTokだけでなく、Twitter等のSNSも、県の公式ページの運営を停止するのが筋だと思うのです。なぜなら、アメリカの企業が運営するSNSが利用者データを適切に管理しているという確定的な情報も確認できないからです。

クラウドを利用すると、利用者個人や組織が保有する情報の管理、処理をクラウド事業者に委ねることになります。その為、情報セキュリティのリスクの全てを利用者側でコントロールすることは出来ません。利用者側でセキュリティをコントロール出来ないので「利用者側が安全を確実に確認すること」はそもそも出来ないのです。
クラウドサービスのセキュリティコントロールについて補足します。
クラウドサービスは「SaaS(サース)」「PaaS(パース)」「IaaS(アイアース)」の3つに分類出来ます。この分類でクラウド事業者とクラウド利用者でコンロールする範囲(レイヤ)が異なります。


世界時価総額ランキング(2020年8月末)を見ると、アメリカの企業に唯一対抗できる可能性があるのは中国の企業だということが分かります。ちなみに日本企業で上位50社にいるのは、48位のトヨタ自動車のみです。
順位 | 企 業 名 | 国 籍 |
---|---|---|
1 | アップル | アメリカ |
2 | サウジアラムコ | サウジアラビア |
3 | アマゾン・ドット・コム | アメリカ |
4 | マイクロソフト | アメリカ |
5 | アルファベット | アメリカ |
6 | フェイスブック | アメリカ |
7 | アリババ・グループ・ホールディング | 中国 |
8 | テンセント・ホールディングス | 中国 |
9 | バークシャー・ハサウェイ | アメリカ |
10 | テスラ | アメリカ |
経済問題で国と国がいざこざを起こし、庶民の生活が苦しくなると、権力者は反権力に向かわぬよう、相手国を敵として煽ります。そして怒りのパワーが戦争へ突き進むのを歴史は証明しています。

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