叡智の三猿

〜森羅万象を情報セキュリティで捉える

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あいつ今何してる?

同級生との再会

むかしを懐かしむようになったのは45歳を過ぎてからです。それ以前は将来のことばかり関心が集中し、過去を振り返ることはありませんでした。たまに同窓会の連絡もありましたが、電話でその連絡を聞いた瞬間「めんどくさい〜」と思い、どうやって断るかを考えました。単刀直入に「行きたくない」とは言えないのでー

  • 「残念!その日は大阪に出張なんだ・・」
  • 「あー、会社の送別会と重なっている」

と言って断ったり、あとは、参加すると返事をしておいて、当日になってー

  • 「ごめん、熱が出た・・みんなによろしく」

という感じで逃げたりしました。

年齢を重ね、旧友と会い、思い出話をすると意外に盛り上がりました。想像より、楽しいと思いました。同期会に参加すると、同級生からの話が脳の刺激になりました。話を聞きながら、わたしも頑張ろうと励みになりました。


いまは旧友と会うのも、同期会に参加するのも抵抗を感じません。

名簿業者のビジネスモデル

わたしの学校時代のすべての卒業アルバムには、巻末に同級生の「住所録」が掲載されています。

一方、息子は高校生ですが、幼稚園、小学校、中学校の卒業アルバムには、同級生の名前と顔写真はあるものの「住所録」はありません。

これは2005年に施行された「個人情報保護法」の影響が大きいと思います。卒業アルバムのような紙媒体の「個人情報」は、その後どんな使われ方をされるか、コントロールできません。

転売サイトを見ると「卒業アルバム」が出品されているのを見ることがあります。サイトのガイドラインには「出品禁止物」として「個人情報」という記載があります。ですので、これはルール違反でしょう。

卒業アルバムのような個人的なものをどうして欲しがる人がいるのか不思議に思うかもしれません。確かに卒業アルバム自体に価値はないでしょう。しかし、そこに掲載されてる「個人情報」は価値があります。それを買い取る専門業者(名簿業者)が存在します。

「個人情報」とは、氏名、住所、性別、生年月日、電話番号、勤務先など個人を識別できる情報です。卒業アルバムは名前が掲載され、生まれた年代が特定でき、地域も特定されます。たとえ、住所が掲載されてなくとも「個人情報」そのものです。

長引くデフレ、低所得に苦しむ人がいます。借金を抱え、すぐに現金が欲しい人もいます。卒業アルバムを名簿業者に提供すれば現金が手に入ります。

名簿業者は卒業生の「個人情報」を企業に販売して利益を得ます。

企業が欲しい卒業生の個人情報は古いものより、新しいものです。また、小学校・中学校の卒業生の情報より、高校や大学の卒業生の情報がより欲しいと思います。

企業は個人情報をマーケティング目的として使います。

息子が中学、高校に進学したとき、通ったことがない塾から入塾の案内が届くのは、このような名簿業者経由のルートがあるからだと思います。

「個人情報保護法」は、企業が個人の情報を適正に収集し、管理することを目的とした法律です。名簿業者が企業の「顧客リスト」に使う名簿を販売することは禁じていません。

ただし、名簿業者のようなオプトアウト方式で本人の同意を得ていない個人データを第三者提供しようとする場合は、事前にオプトアウト手続きを行っていることを個人情報保護委員会に届出をする必要があります。


オプトアウト方式とは

  • オプトアウト方式は、個人情報を第三者提供するにあたって、その個人情報を持つ本人が拒否をしない限り、個人情報の第三者提供に同意したものとみなし、第三者提供を認めることです。

オプトイン方式とは

  • オプトイン方式は、本人が事前に許可した個人情報だけを第三者提供することです。
オプトインとオプトアウト

昭和のノスタルジー

久しぶりに40年以上前に卒業した小学校の卒業アルバムを開いてみました。表紙はわたしが描いたゼロ系新幹線です🚅


この巻末に同級生全員の氏名、住所、電話番号が掲載されています。

小学生のとき、わたしが住んでいた場所は、高度経済成長期に作られた団地でした。クラスメイトの半数以上がその団地が住所として掲載されています。しかし、団地に永住する人はあまりいません。ほとんどの同級生は引っ越して、もういないはずです。わたしも中学生のときに、団地を出ました。

一度印刷したら、時間の経過と共に古くなる「個人情報」は意味がありません。卒業アルバムに、使えなくなる「住所録」を載せる必要性はもともと無かったのかもしれません。

それにしてもむかしの「卒業写真」を見ると「あーやっぱり、昭和の人間なんだなあ〜」と、ノスタルジーを感じます😌

あいつ今何してる?