叡智の三猿

〜森羅万象を情報セキュリティで捉える

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個人情報とプライバシー

わたしのフェイスブックには200名ちょっと超えた友達がいます。その友達のプロフィール画像は・・・まあいろいろあります。

友達のプロフィール画像を分類すると3つのパターンに分かれます。

本人を特定できるプロフィール画像

本人がアップで映った顔写真、バストアップ、半身写真は容易に本人を特定できます。旅先でのスナップショットもやや小さめですが本人を特定できます。たまにシャイな性格なのか少し横顔にしたり、サングラスをかけて分かりにくくしているプロフィールもありますが、まあ大抵は本人を特定できそうです。

本人ぽいが特定に至らないプロフィール画像

サークルや飲み会での集合社員は、確かに本人がいるのですが、全体のなかのひとりです。ですので、名前と顔が一致しないと、本人を特定するのは困難です。また、似顔絵をプロフィールにしている場合、本人らしき特徴はありますが、本人を特定できるかは微妙です。幼少期の本人の画像も、わたし位の年齢になれば、リアルな本人とのギャップが大きく、幼馴染でなければ特定は難しいでしょう。

本人を特定できないプロフィール画像

犬猫などのペット、電車、街、観光地、飛行機、船、静物などのプロフィールは間違いなく本人を特定できません。フェイスブックは実名登録が基本ですが、仮にわたしが懐かしい名前を見つけても、プロフィールが🐱だとしたら、わたしの知っている人と同じ人物と確証は持てないです。ですので「友達申請」は出来ないです。

フェイスブックという共通のツールを使いながら、プロフィールにこれだけの違いがあるのは興味深いです。

この違いは、人によって許容される「プライバシー情報」が異なることを意味します。プロフィール写真に🐶や🐱を載せている人は、本人の顔写真がネットに公開されたら、不快に感じるでしょう。「プライバシー侵害」と捉え、法に訴えれば認められるかもしれません。しかし、本人が顔写真を公開している人であれば、第三者によって本人の顔が公開されても「プライバシー侵害」は認められないかもしれません。

多くの人は無断で顔写真を撮影され、それが公表されるのを不快に思うでしょう。このような精神的な苦痛を受けないよう、保護を受けることのできる権利を「肖像権」と呼びます。「肖像権」には「プライバシー権」「パブリシティ権」があります。

プライバシー権


無断で顔写真を撮影され、それが公表されたりしないよう主張できる権利が「プライバシー権」です。個人の人格的利益を保護するための権利(人格権)に則しています。

パブリシティ権


著名人の肖像や氏名のもつ顧客吸引力から生じる経済的な利益・価値を排他的に支配する権利が「パブリシティ権」です。財産的価値を有する権利(財産権)に則しています。

肖像権
ところで「プライバシー情報」と似た言葉に「個人情報」があります。両者は同じような意味で使うことも多いのですが、情報の概念が異なります。

プライバシーは「自分が他人に知られたくない情報」のことです。一方、個人情報とは「個人に関連する情報」であり「個人を特定できる情報」のことです。

個人情報保護法では「個人情報」を次のように定義されています。

生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述などによって特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それによって特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)、または個人識別符号が含まれるもの。〜「個人情報保護法」より

フェイスブックのプロフィールに掲載した自分の氏名や顔写真は、個人を特定できるのでズバリ個人情報です。特に個人情報のうち、氏名、住所、性別、生年月日を「基本4情報」といいます。

ひとつの情報では個人が特定されなくても、複数の情報を組み合わせることで個人を特定できます。たとえば、神奈川県に生まれた人というだけでは個人を特定するに至りませんが、その人の学歴、職歴、婚姻歴・・・と組み合わせることで個人が特定されます。

ただ、その人が「知られたくない情報」は一概にこれとはいえないです。その人の主観の問題ですから・・・。それがプライバシーです。学歴は知られてもいいが、婚姻歴は知られたくないとしたら、婚姻歴がプライバシー情報となります。

個人情報とプライバシー情報は混同しがちです。個人情報の定義は、個人情報保護法ではっきりと定義されていますが、プライバシー情報は、民法の不法行為として、民事上の責任を生じさせるという意味で、法律上保護された権利として認められています。

個人情報とプライバシー情報

ブログやSNSの普及によって誰もが情報の発信者になることが出来ます。

自分の情報をどこまで公開して、どこをプライバシーとするかは常に考えておくべきことだと思います。