マルウエアの種類
ウイルス、ワーム、トロイの木馬はたびたび同じ意味で使用されますが、異なる意味を持つ用語です。これらを総称してマルウエアと呼びます。「セキュリティ技術の教科書 第2版 (教科書シリーズ)(長嶋仁著・アイテック)」ではその特徴を次のとおり記載しています。
ウイルス
ウイルスは、自らを複製して、他のプログラムやデータファイルのコードに侵入して感染する、寄生型のプログラムです。プログラムやデータファイルが実行されると、ウイルスも動作します。
ワーム
ワームは、ウイルスのように他のプログラムに寄生せずに自立して存在し、ネットワークを経由して自身を複製しながら自己拡散するマルウエアです。増殖して感染を広げる点は、ウイルスと共通する特徴です。
トロイア伝説とトロイの木馬
日本に於ける標的型攻撃の事例として有名な「日本年金機構」が犯されたマルウエアは「トロイの木馬」型と呼ばれています。「トロイの木馬」は多くの人が聞いたことのある言葉だと思いますが、印象に残るネーミングですね。最近のドラマで「テセウスの船」というのがありましたが、それと似たような神秘的な雰囲気を感じます。
そもそも「トロイの木馬」とは何でしょうか!?
それを紐解くのは「ギリシャ神話」の「トロイア伝説」です。これは、ギリシャとトロイアの攻防を描いた物語で、盲目の天才詩人ホメロスによって「イリアス」という叙事詩に謳われました。
「トロイア伝説」を読むことで「トロイの木馬」が何を意味するのかが分かるのですが、難点があります。とにかく「ギリシャ神話」は、登場人物が多く、それはもちろんカタカナの固有名詞として書かれています。読んでいくうちにアタマのなかにさまざまな神が降臨し・・・眠りの境地に浸ってくるのです(´-`).。oO
そこで、女流漫画家の大家である、里中満智子さんの「ギリシャ神話シリーズ」がおすすめです。
マンガであれば固有名詞の理解がおぼつかなくても、絵がイメージとして補ってくれます。ギリシャ神話にはマンガがうってつけだと思います。
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表紙絵には綺麗な女性が描かれています。この女性がスパルタ王の王妃、ヘレネです。世界一の美女という噂でした。そこにトロイアの王子、パリスが使いに行きます。それが2人の運命の出会いです。パリスはスパルタの財宝と一緒にあろうことか、王妃ヘレネを奪いトロイアに連れて帰るのです。
大きな戦争のはじまりです。
スパルタ王は全ギリシャに対して、トロイアに攻め込んでヘレネを奪い返すと宣誓しました。ヘレネ王妃はギリシャ全土で人気があったため、各国が立ち上がりました。ギリシャ軍は総勢三万人以上の大軍勢となりました。
しかしトロイアへの航海は難航します。そして、ようやくたどり着いたトロイアは、天を突く城壁に覆われた難攻不落の国でした。
両国の戦争は長引き消耗戦の様相を呈してきました。
そこでギリシャが起死回生の策を講じます。大きな木馬を作り、その中に軍人が隠れたのです。ただひとりシノンを外に残して・・・。
襲ってくるトロイア軍にシノンはこう言います。
「神のお告げで、アテナに捧げる木馬を作ればそれを持っている限り勝利を得ると聞いたのですが、、皆が国に帰りたいと言い出してどんどん船を出してここから去ってしまったのです。」
それを聞いたトロイア側はこのように考えました。
「では、この木馬をわが城内に運び込めばトロイアは安泰ということだな。じゃあ、城内へ運ぼう。」
しかし、木馬は大きすぎて、城内に入れませんでした。そこで城壁を壊して木馬を中に入れたのです。
こうしてトロイア軍は勝利を確信し、うま酒を酌み交わします。そして、酩酊しているとき、木馬からギリシャ軍が出てきてトロイアを燃え尽くしたのです。
トロイの木馬とは、中には刺客がいるのに、一見無害を装い、門を破って内部に入り、そこで活動を行い、気が付いた時は滅ぼしていた。・・・これが現代にマルウエアとして蘇りました。
1998年「トロイの考古遺跡」として世界文化遺産に登録されました。
whc.unesco.org
そういえば、里中満智子さんというと、わたしは「世界まるごとHOWマッチ」に出演していて、同じ出演者のチャック・ウイルソンさんが里中さんにメロメロだったのを覚えています。
あとは1987年にテレビドラマで放映された「アリエスの乙女たち」の原作者ということですね。
主演:南野陽子、主題歌:柏原芳恵・・・昭和40年男にとっては1日中見ても飽きないノスタルジーです。